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19891220 考大丈夫学入門

米国パナマに軍事介入 侵攻を正当化する論理があるというが 大国の無意識の焦り傲慢時代錯誤を感じる ジョン・レノン「ハッピー・クリスマス」流れる日々 「戦争は終わった」とはいかない世の中 修理品にU2のレーザーディスク「ラトル&ハム」 今月のミュージックマガジンU2来日レポート 共同記者会見での発言 ボノ「1980年代は退屈な10年間だったが、1989年は歴史上特筆すべき年になった。まず、東欧の動き、ベルリンの壁が崩れたこと。そして、中国の天安門事件。さらに、南アフリカ情勢も重要だ
 『考現学入門』 今和次郎 「焼トタンの家」「焼けたトタンの家は大抵真赤な重い粉を吹いた色をしている。それがこの頃はその色がだんだん淡くなりオレンジ色にかがやいて来ている。軽い文化住宅に見られる黄味の勝った赤瓦のその色のように、天気のいい日に生物の表面が特別に愉快に緊張しておる熊のようにそれらの家々は生き生きと瓦や焼土の上に生え出たように立っている。家々の拡がりは無量に大きく、民衆はそのうちに働いてうごいている。一人のコールターを手に入れることの出来た人は、その体躯を動かして、不思議な生き物の屋根から壁へ、ついにコールターの缶を倒してからになるまで、山脈へ、谷や、断崖などの連接からなっているトタンの面の上へ黒々と塗り付けて、その缶一個だけの分量の模様付けをそれらの家々の衣装付のためにやる。屋根と、どっちの壁も一ぱい黒々とされてしまった家家も焼野の景色の中に混じって来る。それらは一層生き生きしく呼吸を地中から引き出して空中へと投げかけて、衣を着せられたものの存在をあきらかにせんとしているかのように見える。そしてまた痛められざる若々しいトタンの屋根の家、それも所々に混じる。焼野の原も視されるのである。お見舞いを受けるのである。それらの家々は青空をば一層深くその透き通るような体躯の中へと吸い取って、遠くへまでもそのもっている権利を通信し、同属共のだれかにいたずらな誘引するながし目を送ることにとりかかっている。罹災民衆は実に平気でそれらの不思議な生物達の中に、それらとは極めて無交渉にk、焼野の上に色々な仕事にいそがわしく働く事に奉仕している。ただ荒涼の王様の御殿の別なかくれた部屋に若き者達は、今ぎっしりと彼等の胸へ帯を緊めて、それらの民衆達とははなれて、この場景の音のなき生き物のささやきの声をばきかされる。新しく下らねばならぬ心の斜面よ。赤土の焼野の上の生物なる家々の中で、赤き、黒き、青き額縁をもてる家々の窓から、少しずつ狭められたる家、少しずつ広められたる空地、すべてそれらの変化から、苦しみの転化へと孚まれ、必要なるものはすべて満たされる今、その軽き重き不思議なる心の斜面へと辷らねばならぬ。黒き、赤き、青きトタンの家よ。それらの住む人々の苦き転化へと行かねばならぬ心よ。」



   * [考現学入門] 今和次郎 藤森照信編

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