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19911210 村上春樹全大丈夫1979から1989 8

ソヴィエト混沌 ゴルビー過去の人となるか 風邪最悪 高橋「ヒッポ」ニュートンやデカルトを生み出した近代精神の産物なのだから、それもとうぜんのことかもしれない。だが、ジョイスは、ふつうのことばでは書けない場所までたどりついてしまったのである。/その『フィネガン』が柳瀬尚樹の翻訳(『フィネガンズ・ウェイクⅠ・Ⅱ』河出書房新社)でついに日本語になった。ぼくは読みながら、それがジョイスの作品の本質を理解した決定的な翻訳であることを確信したのだった。『フィネガン』の世界は通常の因果関係が成り立たない「量子力学的」な世界だ。そこで使われている、六十数カ国を融合した「ジョイス語」は、矛盾した性格を同時に持つことができる量子そのものなのだ
 『村上春樹全作品1979~1989 8』 「でもそれじゃあまりにもひどすぎる、と私は思う。もし死という状況が休息でないとしたら、我々のこの疲弊に満ちた不完全な生にいったいどんな救いがあるというのか? でも結局のところ、死がどういうものかなんて誰にもわかりはしないのだ。誰が死を実際に目にしたのか? 誰もしていない。死を目にしたものは、死んでしまっている。生きているものは、死がどんなものか、誰も知らない。ただ推測するだけだ。それがどのような推測であるにせよ、それはただの推測にすぎないのだ。死が休息であるべきだなんて、そんなものは理屈にもなっていない。それは死んでみなければわからないのだ。それはそんなものでもあり得るのだ。』



   * [村上春樹全作品 1979~1989〈8〉 短篇集〈3〉]

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