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19960913 猪木正道 『軍国日本の興亡 日清戦争から日中戦争へ』

猪木正道『軍国日本の興亡 日清戦争から日中戦争へ』
  「ポルケ・ブック・レビュー http://www.booxbox.com/porque/」 より

 猪木正道著『軍国日本の興亡 日清戦争から日中戦争へ』(中公新書)を読みました。

 「まえがき」から。

「みずからの愛国心を否定する国民は、国際社会で尊敬されない。日本が国際社会の名誉ある構成員であるためには、軍国主義によってゆがめられ、汚辱された愛国心を軍国主義との癒着から救い出し、外国人の愛国心とも両立する本当の愛国心に純化しなければならない。この作業を完了するまでは、愛国心は軍国主義とのくされ縁から解放されないだろう。空想的平和主義についても、これを軍国主義の裏返しとして、完全に克服するのでなければ、日本人の愛国心は堂々たるものになれない。
 軍国主義と空想的平和主義とは、互いに相手の裏返しだというのが、本書の原点であり、結論でもある。」

 私には似ているように思われるのです。一般市民を巻き込んで無謀な自爆戦争に突入し軍国主義者と、その戦争終結からちょうど五十年後様々な事件を起こしたあの宗教団体が。
 まず、目的が正当なら手段はどうあろうと、何をしても許される、と勘違いしたこと。自分たちだけに都合のよい「聖戦」や「教義」の前に平伏さないものは、「ポア」。当然、異分子は暴力的に排除。おそろしい。
 そして、でっちあげた「理論」がほころび始めたら、無謀な「最終戦争」に撃って出たこと。すべては、あの死んだ幹部の仕業と、言い逃れをしたこと。
 変節漢の存在。共産主義思想で官憲に囚われ、転向したとたん強力な右翼思想を持った人間。(「この種の一八〇度の転向は、彼らの人間性にまで疑問を抱かせる」と猪木さんは書いておられます。226P)逮捕されるまでは教祖の番犬みたいにしてたはずが、逮捕後は手のひらを返し教祖批判を始めた某幹部。

 なぜ、彼らはその狂的な渦から抜け出せず、われわれはその渦を停止させられなかったのでしょうか。
 われわれがサリンをまく側に立たないですんだのは、たまたま偶然その渦の外にいれたから、と認識するところから始めなくては。

 現実的平和主義確立への道のりは、遠く険しいようです。


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