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19961031 司馬遼太郎 『街道をゆく 5 モンゴル紀行』

司馬遼太郎 『街道をゆく 5 モンゴル紀行』  「ポルケ・ブック・レビュー http://www.booxbox.com/porque/」 より

 26日、司馬遼太郎 『街道をゆく 5 モンゴル紀行』を読みました。

 今までのいきさつ。
 1.ロシア連邦トゥバ共和国(モンゴル文化の影響が色濃い)を毎年訪れる等々力政彦さんの影響で、トゥバに関する本を何冊か読む。面白い。
 2.等々力さんに、故ファインマン氏の友人ラルフ・レイトンやトゥヴァ友の会の法貴さんを紹介してもらい、自分のホームページにtuvaのページを作る。http://www.asahi-net.or.jp/~...............
 3.今月、中国内蒙古自治区フフホト市から訪れた歌舞団員ハルトチムク嬢(モンゴル民族出身)をホームステイ受け入れし、嬉しくなる。
 4.当同報メールでも、Y本E子さんO本さんの「モンゴロイド」談話あり、泉州の人「風」さんのモンゴル好きが露見する(今夏旅行雑誌で「モンゴルで乗馬学校」ツアーを知り、真剣に渡航を考えたとか)。
 5.例によって、その土地・人・歴史に関する知識があまりに少ないのに気付き、司馬さんの本を手にする

 馬と飛行機。
 1973年末から翌年にかけて連載された「モンゴル紀行」文中で、司馬さんは「日本からモンゴルへ直接飛行機が飛ぶことはないだろう」と書いておられます。司馬さんは、ハバロフスクとイルクーツクの空港の融通のきかない官吏を振り切り、苦難の末ウランバートルに到着したのです。
 がしかし、その後の世界の動きは司馬さんのお考えの上を行くもので、現在関西空港からでもモンゴル航空のウランバートルへの直行便が週に何便か飛んでいるようです。という情報を今さっき、某航空会社にお勤めのSさん(ヒッポのお友達)に電話で確認したのですが、このSさん一家もモンゴルからのお客様をホームステイに受け入れたことがあります。
 そのときのエピソードが傑作。公式(?)ホームステイが終わってからも、そのモンゴルの方は休みの日に何度かSさん宅に遊びに来たらしいのですが、そのたびごとに真顔で一言。
「馬さえいれば、すぐ来られるのになあ」。

 目で記憶。
 モンゴルの人々はみな、視力抜群だそうです。馬遠乗りの大会などで、招待された外国人がまったく何も見つけられない地平線の彼方を見て、モンゴルの人たちは、誰と誰が来たかまで見通してしまうのだそうです。
 そんな目の持ち主たちだからでしょうか、それとも逆もまた真なりでしょうか、飼っている家畜がどれほどの大集団であろうと、その一匹一匹を個別に認識しているのだそうです。当然その記憶力認識力は、人間の顔判別にまで拡張され、一度会って自己紹介などしようものなら、一生覚えていてくれるらしいです。

 初体験。
 実は、私、司馬さんの文章を一冊の本という形で読むのは、この「モンゴル紀行」が初めてでした。さきほどの電話でもそのことを言って、司馬ファンであるSさんに絶句されてしまいました。(そういうわけで、司馬さんが亡くなられた直後、吹田市のご近所在住ミステリー作家高村薫さんがTVで、「司馬さんの作品ではどんなものがお好きですか」というインタヴュアーの質問に、「実は、私、司馬さんの本読んだことないんです」と答えているのを見てほっとしたものです)。
 私の読書時間は、朝夕の通勤時約一時間ほど。人間の体というものは正直で、つまらない本何を書いているのかわからない本を手にしてると、寝ます。司馬さんの本は、伝えたいこと伝え方ともに明確、わからない事はわからないと書くし、わかっている事は正確に書かれていて、なおかつ精神的にも目を開かされることが多い、という完璧なものでした。

 さて、2冊目の司馬遼太郎を読みたいと思うのですが、司馬読者の皆様、なんぞおすすめの一冊はございませんでしょうか?(Sさんはモンゴルの女性を描いた『草原の記』というのが読んでみたいとおっしゃってました。O本さんが私信で『菜の花の沖』について書かれていたのも記憶してます)。ついでに、司馬読書体験談でもうかがえれば嬉しいです。



『街道をゆく 5 モンゴル紀行』 司馬遼太郎 朝日文芸文庫1978
トゥバ紀行』 メンヒェン=ヘルフェン 田中克彦訳 岩波文庫1996
 等々力さんはトゥバに向かう飛行機の中で田中さんに遭遇したそうです
ファインマンさん最後の冒険』 ラルフ・レイトン 大貫昌子訳 岩波書店1991  物理学者ファインマンはトゥバの「再」発見者の一人でもありました


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