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19970429 伊藤友八郎・佐々木直彦 『自宅が会社に代わるSOHO仕事術 ネットワーク黄金時代の新しいビジネス・スタイル』

伊藤友八郎・佐々木直彦『自宅が会社に代わるSOHO仕事術 ネットワーク黄金時代の新しいビジネス・スタイル』
 「ポルケ・ブック・レビュー http://www.booxbox.com/porque/」より

 4月28日、『自宅が会社に代わるSOHO仕事術 ネットワーク黄金時代の新しいビジネス・スタイル』(伊藤友八郎佐々木直彦 PHP研究所)を読みました。

   *

 「藁にもすがる」必要に迫られてのノウハウ本読書です。そういうわけで当然、「経費節減」図書館本。毎月コンピュータ教室(無料!)も開催している、江別市情報図書館所蔵の一冊。

 「SOHO」という言葉をいろいろなメディアで目や耳にする機会が多くなりました。
 NHK出版「パソコンライフ」3月号のSOHO記事、加藤久夫さんという方の文章、を紹介しますと。
 「SOHOという言葉を聞いたことがあるだろうか。ニューヨークの芸術家たちの溜り場と答える方が多いだろうが、この言葉の発祥の地である米国においてさえも、SOHOは別の意味、すなわちSmall Office・Home Officeの略語としての地名度のほうが高くなっている。日本語に直せば「自宅を仕事場にしている個人事業体」とでも言えようか。
(中略)
 日本でも昔から在宅ワーカーは存在しているが、内職の域を出ない、どちらかと言うと、ネガティブなイメージがつきまとう働き方だった。ところが、米国型のアクティブな在宅ワーカーが続々と出現し始めるようになった。
 日本のSOHO人口は、総務庁統計などをもとに後出の「ギルド・ジャパン」が算出したデータによると、すでに600万人が存在するという。
 言うまでもなく、彼らの出現を可能にしたのはパソコンの進化とインターネットに代表される情報通信網の驚異的な発達である。パソコン先進国の米国ではインターネットの普及と比例するようにSOHOが急激に拡大し、産業構造を変革させ、衰退経済を再生させた立て役者になった。日本も米国に継ぐパソコン、インターネットの普及国であるがけ果たしてドン底の経済を救う存在になり得るのであろうか。また、SOHO、とくに在宅ワーカーという職種が成り立つ土壌は醸成されるのだろうか。」

 『SOHO仕事術』著者の佐々木さんは、田原と同年生まれ(またしても!)、リクルート社勤務を経て、現在実際にSOHOで仕事をしている方だそうです。説得力があります。
 腑に落ちた箇所を紹介しますと。

 「6-4 自分を成功に導いてくれる「メンター」を探せ」から。

 「私の知るかぎり、SOHOを立ち上げた人には、ひとつの共通点がある。
 それは、精神的にも実務的にも、具体的に指導し後押ししてくれる「人物」がいた、ということである。会社を飛び出す場合も、副業ではじめる場合も、会社のなかに新規事業開発部隊という各自のSOHOをつくってしまう場合でも、同じである。
 最近では、そうした人物は「メンター」と呼ばれて、その存在が注目されている。」

として、佐々木さん自ら、共著者の伊藤友八郎さんが自分にとっての「メンター」であったと言っておられます。

 その特徴として、
 「自分よりも経験を積んだ人、見識の高い人であり、社会的に影響力のある人
  自分がかなり信頼を置いている人で、自分の悩みを打ち明けられる人
  経験・知識・センスで自分にアドバイスしてくれる人
  年上の場合が多い」

等々、あげられています。
 自分にとっての「メンター」は、と考えてみました。この一年に関しては、久米さんであったように思います(私よりお若いのですが)。

 「4-11 SOHOには成功の鍵がある」から。

 「SOHOで成功するには、失敗しないことを考えればいい。
 「なんだ」と思われるかもしれないが、いわゆるベンチャー企業の立ち上げとは違い、SOHOは様々なコストを最小限に抑え、リスクがほとんどない状態でスタートすることが、いくらでもできるのである。
 (中略)
 資金計画が立たないことは絶対にしてはいけない。借金をするにしても、どう考えても自分一人の力で無理なく返せる額にしておく。派手なことはしない。かといって、モラルも上がらず、夢もなくなるような「せこいこと」もしない。
 そして、最低限、食べていける仕事を確保してから、次のステップに進む。いつも、半年くらいは生活できる貯金をしておく。人脈を大切にし、チャンスはしっかり活かす。
 そして、いつも自分らしく、楽しくやるのである。」

 田原は、例によって、『徒然草』を頭に浮かべました。

 「第百十段 双六の上手といひし人に、その手立を問ひ侍りしかば、「勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり。いづれの手か疾く負けぬべきと案じて、その手を使はずして、一目なりともおそく負くべき手につくべし」と言ふ。
 道を知れる教、身を治め、国を保たん道も、またしかなり。」

 田原訳。
 「すごろく(半分ばくち)の名手といわれる人に、その手法を尋ねたところが、「勝とうと思って手を打ってはいけない。負けないように打つべきだ。どの手が早く負けてしまう手かも考えて、その手を使わないようにう、たとえ一目であっても遅く負けるだろう手を打つのがいいんだ」と言った。
 これは、ほんとうにその道をよくわきまえている人間の教えで、自分自身を管理し、国を保っていく方法も、それと同じ道理であろう。」

 「6-11 友だちや世話になった人を大切にする」から。

 「SOHOで仕事をはじめると、友だちのありがたみがわかる。不思議に、これまでの自分の人生の歴史のなかでお世話になった人の顔も浮かぶようになる。一人の人間として、地に足をつけ、責任をもって生きていかなくてはいけないような気になってくる。
 そういう人たちに支えられて、生きているという感覚が、しだいに強くなってくる。
 大きな組織にいても、職場の人々のありがたみに感謝することは少なくなかった。しかし、そのおかげで生きている、というところまではいかなかったように思う。
 友だちや先輩後輩と、仕事のやりとりをすることも、ぐっと多くなる。組織を超えて、人間と人間の距離が近づいていくようである。
 こんなSOHOだからこそ、自分の品性が問われるような気がしてならない。
 SOHOでうまくやっている人は、友だちや世話になっている人を大切にしている。仕事のやりとりもあるが、無理やり巻き込んだりはしない。目先の利害のために関係を壊すこともない。成功している人を見ていると、相手の身になれる人である。」

 心すべし。


『自宅が会社に代わるSOHO仕事術 ネットワーク黄金時代の新しいビジネス・スタイル』 伊藤友八郎(1934- )・佐々木直彦(1958- ) PHP研究所1996

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