19970923 竹内久美子 『BC!な話』
竹内久美子 『BC!な話』
「ポルケ・ブック・レビュー http://www.booxbox.com/porque/」 より
9月21日、『BC!な話 あなたの知らない精子戦争』(竹内久美子
新潮社)を読みました。
こんなところで振るな!といわれてしまいそうですが、市井のフラクタル研究家きーさんことK村H樹さんに「竹内久美子は面白い」という評判は聞いていました。ほんとに面白かった。「笑かすやんけ」本であります。
本日のメールはそういうわけで「あられもない」本を紹介する「あられもない」メールになっております。あまり人前ではご覧にならないで下さい(竹内さんが怒るか)。
帯の宣伝文句を見ますと(文責・新潮社)。
「飛ばすばかりが能じゃない!
人間のセックスで放出された精子を研究する、とんでもない学者が
イギリスに現れた、その結果、驚くべき事実が次々と明らかに!
精子の涙ぐましいまでの暗躍、男女のマスターベーションの効能、
痩身に隠された女の戦略、ペニスの形と大きさは何故あのように進
化したのか、同性愛に隠された秘密とは・・・恋愛とセックスのあら
ゆる常識をくつがえす、これぞ正真正銘の、革命的トンデモない本。」
---
「「浮気は子供ができやすい」
これは・・・・・
Biologically Correct
(生物学的に) (正しい)」
その「とんでもない学者」さん、英国マンチェスター大学のベイカーとベリス、の「研究結果」によりますと。(「研究方法」を知りたい方は、どうぞ本編をお読み下さい。その「方法」とそれにまつわる話がまた笑えます)
精液(液自体の容量はそれほど変化がないものだそうです。そういわれてみれば・・・)の中に含まれる精子の数を決める、極めて強い要因は、前回性交からの時間、その間のパートナーとの共有時間の割合、そして女の体重である、とのこと。
そして最も影響度の高い要因が「共有時間の割合」なのだそうです。
共有時間が短いほど、パートナーをよく見張ってはいなかった、つまり浮気された可能性が高くなるということで、パートナーの卵が別の男の精子によって受精させられる危険を回避するために、俄然精子の数が増加するのだそうです。
「こうした卵をめぐる複数のオス(男)の精子どうしの争いは、精子競争(スパーム・コンペティション)と呼ばれている。パートナーとの共有時間の割合で精子数が変化するということは、精子競争が人間でも現実に起こっている一つの有力な証拠といえるのである。」(19P)。
さらに。
浮気のときの精子は、特に元気な「精鋭部隊」が送り込まれていると考えられ、男性のマスターベイションは古い精子を新しいものへ、女性のマスターベイションは生殖器を感染症から守るためにあると考えられるとか。
例によって引用を。
「女はなぜやせたいのか」から。
「過去の人々は、押しなべて栄養不十分の状態にあった。特権的な階級の人々とてそれは例外ではなかったはずである。お腹いっぱい食べられるにしてもその内容は、たとえばイモばっかり食べるというようなもので、栄養的に見て十分ではなかった。人々はやせているか、太っているにしろ栄養の偏りによる太り方で、いずれにしても女は妊娠しにくい状態にあったのである。だから、わざわざやせて受胎率を下げるなどということをする必要はなかった。ところが現代は栄養過多の時代である。(中略)病気の一歩手前と思えるほどやせて、ちょうど女の望む受胎率に達するのである。(中略)
やせることが人生に勝利することであるかのように今の女の子たちは考えている、と多くの大人たちは警鐘を鳴らす。が、彼女たちの心理はごく自然なものだ。避妊すること、いつ誰の子を産むかのバース・コントロールをすることは女の一生に関わる大問題である。もしやせてそれに成功するとすれば、それは人生に勝ったも同然ではないか。女がやせることは、現代では確かに人生に勝利することにもなっているのである。」
実はBC(Biologically Correct)は竹内さんの造語で、その対極にPC(Politically Correct)という言葉が存在するのだそうです。
その言葉を竹内さんは、「ちょっとばかり贅沢をしたいがために売春に走る女の子を考えが浅いと批判することをPCとするならば、BCはそういった一見浅はかな行為にはたしてどういう生物学的な意味が隠されているのかと考える。」(「あとがき」)という表現で説明されています。
ダイエットに時間と労力と金銭を費やしなんの効果もない「BC」型敗北も当然ありえるわけでしょう。
ちなみに竹内さんは、売春に関しては「PC」的立場をとられるそうです。念為。
一番、笑った部分の引用を。
「男がペニスにこだわる理由は」から。
「彼ら(ベイカーとベリス・田原註)は腟の中でのペニスの動きを六分割にした図に示し、解説するという熱の入れようである。腟にぴったりとフィットしたペニスが、挿入とともにその奥深くへと入っていく。引けば内部のものを強力に吸引する。ペニスは長く、太い方がピストンとしての役目をよく果たすことは言うまでもない。他の男の精子をよくかき出す男ほど精子競争によく勝利することができるだろう。こうして男のペニスは長く、太く、かき出しに適するよう先が "どんぐり形"に進化してきたというわけなのである。彼らはこの考えを「サクション・ピストン仮説」と名付けているのである。サクションとは吸引、の意だ。 」(135P)
実は、この「ポルケ」同報、女性の参加者が多数おられまして、こういうメールを流していいものかどうか、ちょっと、迷いました。
私が、100%「PC」な人ならば、読んだことすら秘密でしょう。
このメールが「BC」なものかどうか、私にはわかりません。
『BC!な話 あなたの知らない精子競争』 竹内久美子(1956- )新潮社1997
英国王室やダイアナさんについて書かれた部分もあります。
もちろんダイアナさんが、お亡くなりになられる前に書かれた文章ですが、いやはや、王室内の性的すったもんだは英国の伝統であったのか、と納得してしまいました。
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* [BC!な話―あなたの知らない精子競争] 竹内久美子
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