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19980422 鈴木光司 『リング』

鈴木光司 『リング』
 「ポルケ・ブック・レビュー http://www.booxbox.com/porque/」 より

 4月20日、『リング』(鈴木光司 角川ホラー文庫)を読みました。

   *

 『リング』『らせん』と映画化され、今は『ループ』という作品が売れている、ホラー作家の「日本ホラー文学の最高峰」(帯によれば)だそうです。
 先日、漫画家津野裕子がご縁で「ポルケ」に参加いただいたY沢さんから、映画版「リング」は「洒落にならないほど恐い」という情報をいただき、原作は当然テイストが異なるだろう(柳沢さんも立ち読みしただけらしいです)とはいえ、期待して読み始めました。

 しかし。
 ホラー物といえば、かのスティーヴン・キングしか、しかも『IT』以降はまったく読んでいない、知らないのですが、かつてキング読書をするたび寝食を忘れ、翌朝阪急電車の中でおなかが痛くなり、淡路駅のトイレに駆けこむ(空きがなかったりするんだなこれが。けっこうホラーです)という経験をした私には、『リング』はちょっと物足りなかったです。

 午後四時半から読み始め、八時くらいには読み終えたのですが、途中ちゃんと家族の食卓を囲み、TVでローカルニュースを見て、やおら読書に復帰できてしまった。
 在鎌ヶ谷のK村H樹さんも、「鈴木光司 「リング」「らせん」「ループ」、宮部みゆきレベル7」「龍は眠る」「魔術はささやく」「とり残されて」「淋しい狩人」「返事はいらない」「スナーク狩り」」と読書されて、「宮部みゆきはおもしろい」とメール下さりましたが、鈴木光司が面白いとは書いてありませんでした。

 いうほどホラー度が高くない印象をうけたのですが、私の出した結論は「プロットが複雑すぎるからだ」というものです。
 ホラー小説の場合、プロットにこだわるとホラー度が下がるという傾向があるのではないでしょうか。

 たとえば、キングの『クージョ』など、狂犬病に冒された巨大犬にいたぶられ、炎天下の締め切った車の中で難儀する母子の様子、というきわめて単純なプロットですが、ホラー度はきわめて高い。それだけのプロットで分量も『リング』よりも相当多い。
 『リング』のプロットは、たいへんすぐれたものだと私も思います。だからこそ、これだけのプロットなら、分量を十倍くらいにして「ネチネチ」と細部の描写を積み重ねて欲しかった。
 キングさんと比較するのが、間違っているのかもしれませんが、私は『リング』に対して、こういう呼び名をつけたい。

 「お茶漬け」ホラー。

 よくできた、おいしいお茶漬けではあります。


 『リング』 鈴木光司(1957- ) 角川ホラー文庫 1993/04/24
   角川書店 1991/06 ISBN4-04-188001-7

 『パラサイト・イヴ』(瀬名秀明 角川ホラー文庫)のほうが、細部に命が宿っていて面白かったと思います。





 BooxBox PRO! ホームページを含め、3つのホームページのフロント改装。
 嵯峨治彦さんの「のどうたの会」のページも加わったことだし。

 「ポルケ」『リング』配信。

 ちょうど一年前のこの日、北海道移住の旅を始めた家族三人は日本海洋上の人たちだった。

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