19990716 あなたはあがた森魚さんを信じますか?
午後四時、新得着。
第4回目となる「SHINTOKU 空想の森映画祭」にタルバガン出演のため。
タルバガンの二人、モンゴル舞踏のフホダイーちゃん、TTさん、と私。
夕刻より前夜祭が始まる。
あがた森魚さんのライブが九時を回ってから。
私は、中学時代、「月刊平凡」付録の歌本を見ながら、ギターの弾き語りで「赤色エレジー」を歌っていたぞ。
高校時代は、LP「日本少年」をわざわざ予約して買ったぞ。月刊「宝島」(今の「宝島」を想像しないでくれ、ってか)の広告を見て、予約者特典付録があることを知って、それがどうしても欲しかったのさ。
「日本少年」いやというほど聞きました。
以後、やはりいやというほど聞くことになる、ムーンライダース、矢野顕子、大貫妙子、山下達郎という面々も、この一枚(二枚組だったが)が聞き初めだったのだ。
しかしながら、以後「バンドネオンの豹(ジャガー)」という名盤を手にすることはあっても、次第にあがたさんの音楽を聞くことは少なくなっていく・・・。
それが今回、自分の関わったユニットとの関わりで、身近にあがたさんに接することができるとあって、四半世紀近く前の、「日本少年」を繰り返し聞いた時代のあの心の震えが蘇ったのだった。
新作映画「港のロキシー」の上映を新得町公民館で終えたあがたさんは、前夜祭会場の「新内ホール」に移動。
廃校を利用したそのホールの、元教室の客席から、元廊下を歩くあがたさんの姿を見つける。
はっきり言って、頭の毛は薄くなっておられるが、四半世紀を越えて創造者として生きてこられたオーラが出ているのだろうか、不思議な若々しさ・みずみずしさを感じさせる風貌。
声。
歌う声が。
素晴しい。
曲目。
◆一曲目「?」
いまどきのプロパーあがたファンではない私の知識不足・・・。
◆二曲目「小さな喫茶店」
「バンドネオンの豹」CD版に入っていました。
◆ 三曲目「春の嵐の夜の手品師」
ラブソングです。
◆ 四曲目「いとしの第六惑星」
稲垣足穂「弥勒」を読んだのも十代の頃。
◆ 五曲目「つめたく冷して」
「日本少年」収録。
プレスリーの「冷たくしないで」の巧妙なカバーソング。
◆ 六曲目「僕は天使ぢゃないよ」
あがた監督同名映画の主題歌。
◆ 七曲目「港のロキシー」
あがた監督同名映画の主題歌。
◆ 八曲目「?」
「さよならはもういい」という歌詞。なんて曲か誰か教えて!
◆ 九曲目「ビー・マイ・ベイビー」
あの「ビー・マイ・ベイビー」
◆ 十曲目(アンコール)「大寒町」
あの鈴木博文の名曲。「I shall be released.」だったのか!
終演後しばらくして、嵯峨治彦@タルバガンのホーミー&馬頭琴を元理科教室の窓の外(夜だよ)から見物していたあがたさんは、棚に顕微鏡が置かれたままの元教室に入ってくる。
すかさず、持参していた(ヲイヲイ・・・)「日本少年」CDを手に、あがたさんにすりよる田原。
ジャケットにサインをいただき、二言三言、言葉を交す。タルバガンCDを進呈することを告げ、住所を教えていただく。
感慨。
四半世紀を越えて、音楽活動を続けてこられたあがたさんに拍手を。
「日本少年」が私に与えてくれたインパクトの百分の一でも、タルバガンCDがあがたさんにインパクトを与えてくれることを祈りつつ。
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