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19990918 K保M宏さんの田原紹介文

 朝十時から午後十一時まで、「OLD BRICK HOUSE」Photo系労働。途中昼食の時間と夕食の時間に自宅に帰る。

 夕食時、沼田町のK保M宏さんからファックスが届く。
 北海道の雑誌「しゃりばり」に「北のみらい人」という連載を始められたそうで、なんとその第二回目にこの私を紹介して下さるという。
 ファックス受信後、電話でお話。記事の転載許可をいただく(どこって、ここに)。「志の潔さ」、そうでもないかも・・・、といって二人爆笑。

 活字の時代
 若者の活字離れ? いえいえ、どーして、現代こそは人類史上、最大の「若者の活字ブーム」だ。
 彼らはいったい、一日平均、何文字読んでいるのだろう? インターネットのネット・サーフィンで情報をゲットして、チャットでおしゃべりして、Eメールで交流し、ケータイのiモードで映画の予定やデートの日の天気を確認したりしている。・・・これ全部、活字の世界なり。
 ルネッサンスの三大発明の一つであるグーテンベルクの「活字」印刷術。それが発明された15世紀から、ずーっと、500年以上に渡って、われわれ人類は活字出版と係わってきた。この間、雑誌の出現や、カラー印刷などのイノベーションはされてきた。
 しかし、今回のインターネット「活字」革命は、これまでの革新がいかに些末なモノであったかと人類に教えてくれた。

 インターネット無血革命
 最も過激な革命は、活字をめぐる"送り手"と、"受け手"の数が同数になったコトだ。今までの70年代のミニコミ雑誌ブームなど、より読者の立場に立った出版が読者サイドから生まれたりもしていた。今回の革命はそんな日和見な状況ではなく、一気に雑誌の数が読者の数と同じになったのだ。
 つまり、誰でも気軽にホームページなるメディアを全世界に向けて"発行"できる様になっちまったってコト。この気軽さはフランス革命に値する。だって、トーハンや日販なんかの大手取次店を通さなくても、パリのフランソワや韓国の金さんにメッセージを送れるのだし。
 さらにロシア革命に匹敵するのが、読者がリアルタイムにライターに立場を変えることができる点。
 つまり「掲示板」というのがあり、これはホームページを見ている全ての人がメッセージを書き込めるシステムだ。ここではホームページを読んだ読者が「?」とか「!」と思ったコトを自由に書き込める。書き込んだ瞬間から、そのメッセージを全世界で読むコトが可能となる。
 こうなってしまえば、"送り手"と"受け手"の差の意味は無くなる。ヒエラルキーが無くなることを「革命」と言うんだし。

 立て万国の表現者
 かつて毛沢東が革命家の条件として「若さ・無名・貧乏」を挙げていた。今回紹介したい田原洋朗氏は40歳を迎えたので「若さ」には疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれないが、彼は胸を張って自らの「無名・貧乏」を隠さない。
 彼は江別市のアパートで、妻と二人の子供と住んでいる。それだけの家族を養う収入の元が、自主制作の音楽CDやCD-ROMの電子本出版であるというのだから、その志の潔さには頭が下がる。
 じゃあ、よっぽど売れセンのミーハーな商品を売っているのであろうと思ったら、大違い。
 今、田原氏が一番プッシュしているのが、タルバガンという日本人男性二人組の民族音楽バンド。彼らは、モンゴルとトゥバの伝統的な歌唱方法であるホーミー(トゥバでは、ホーメイと言う)を、民族楽器である馬頭琴などに合わせて歌う。トゥバ共和国はロシア連邦に属し、位置はモンゴルの北隣り。ホーミーとは、頭蓋骨を震わせて出す、人間のもう一つの声。
 ・・・どう? なんだか頭が痛くなってきたんじゃない? でもタルバガンのコンサートには、女性がワンサカ来て、音楽も充分楽しめる。まあ、女性が多いのはメンバーのルックスのせいかも・・・?

 世界で有名 地元で変人
 さて、そのタルバガンがホーメイの本場のトゥバで開催されたユネスコ主催ホーメイ・コンテストで、ゲスト部門優勝、地元のプロも含めた総合でも準優勝の快挙を成し遂げた。
 賢明なる読者の諸君は、この快挙をご存知であろうか? 何? 知らない?
 そう。この図式こそが、インターネット革命・的であるのだ。それはつまり、「世界で有名、日本で無名、北海道で無視、地元で変人」。イナカにはこんなモッタイナイ図式がワンサカ。
 武満徹から、タルバガンまで、僕らは自分自身の価値基準が無いばかりに偉大なる表現者達に残酷な無視をし続けてきたコトに無反省すぎたのではないだろうか。
 その原因を「マスメディア」対「個」の一方通行の洪水のせいにするコトは簡単であった。この図式を破壊し、全ての「個」が「メディア」になることによって、双方通行のまったく新しい図式が誕生した。それが田原氏が血みどろで闘っているインターネット革命だ。

 電脳コミューン
 田原氏のスゴイところは、以上のタルバガンをプロデュースしているコトが、彼を説明する時の、ほんの一例にすぎないというコト。
 田原氏の野望は、インターネットを使った仮想の文化コミューン創造へと夢は枯野を駆け巡る。この文章の冒頭で、クドクドとインターネットの効用を説明させてもらったが、それらのパワーを自分の武器にしているのが田原流インターネット・ゲリラ活動だ。
 まずは彼のホームページにアクセスしてみよう。タルバガン等の彼のセンスのフィルターを通ってからラインナップされたCDやCD-ROMなどの電子出版物を販売する商用ページ「ブックスボックス」と、96年から続けている彼の読書日記風の書評ページ「日記癖・全」が用意されている。ハイパー・リンクというインターネットならではのリンク機能を利用して、彼のページから、世界中の興味深いページに飛べる。そうすれば、次はあなたがココにメッセージを書き込む番なのだ!
 もちろん、私には「インターネットを使った仮想の文化コミューン創造」の野望などない。
 だけど言葉とは不思議なもので、そんな野望を持っていると書かれた時点で、その人の周囲にはその人の野望が見えてしまうし、その人本人もそれが野望であったのかと気付く。
 K保M宏さんの檄に応えられるだけのゲリラ革命家を目指すしかないではないか。

 K保M宏さん、ありがとうございました。

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21 タルバガン=等々力政彦+嵯峨治彦」カテゴリの記事

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