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19991103 長谷川真理子 『科学の目 科学のこころ』 / 自営業者には休日なんてないのさ

長谷川真理子 『科学の目 科学のこころ』  「ポルケ・ブック・レビュー http://www.booxbox.com/porque/」 より

【1 本と作者のデータ】
 「「科学の目 科学のこころ
 膨大な科学的知識の消化よりも、科学の基本にある考え方や意味についての確かな理解こそ、現代の私たちにとっては大切なことだろう。著者は、根っからの理科系でも文科系でもないと自称する生物学者。クローン羊の誕生、ムシの子育て、イギリスでの見聞など、多彩な話題をおりまぜながら、科学と人間と社会について考えるエッセイ集。」(カバー)
 長谷川 真理子(はせがわ・まりこ)
 「1952年 東京都生まれ。
  専攻  行動生態学
  現在  専修大学法学部教授。
  著書  『進化とはなんだろうか』(岩波ジュニア新書)
      『クジャクの雄はなぜ美しい?』(紀伊国屋書店)
      『オスとメス=性の不思議』(講談社)ほか 」

【2 キイワード】
■ 「サイエンティフィック・リテラシー」
 「ウラン・バケツ」事件から一ヵ月たちました。
 インサイダーたちだけで密室内で決定される事柄に対して、第三者によるチェック機関や情報公開が必要なのは確か。
 でもその情報を読みこなせるだけの「科学的識字」能力がないとしたら・・・。

「ここで取り上げたいのは、サイエンティフィック・リテラシー scientific literacy ということだ。これは、識字(文字の読み書きができること)のことをリテラシーというように、科学の考えに習熟していることをさす。二〇世紀も終わろうとする世界に住んでいる私たちは、これからの世代に対して、どこまでのサイエンティフィック・リテラシーを求めるべきなのだろうか?」(56-57P)

 「たとえば、医療におけるインフォームド・コンセントの問題、せっかく患者の人権を尊重し、自らの治療に関する自己決定の機会を与えようとしても、患者自身に、科学的にものを考える態度がなければ始まらない。個々の事実はそのとき教わればよいが、基本的な科学の方法に慣れていなければならない。また、環境にやさしい商品を選ぼうとしても、何に注意し、何を信用してよいのか、情報を整理し、情報の価値を判断し、複数の可能性を査定するなどの思考方法が必要である。

 また、オウム事件のときにさんざん言われたが、自分の研究だけの狭い視野しか持ち合わせていない科学研究者を作っていくのは危険である。科学の方法とその限界、科学と社会の関係など考えたこともない研究者は、やはりサイエンティフィック・リテラシーに欠けるといえるだろう。」
(57-58P)

 自然環境破壊は、直接的な被害だけではなく、人間の「サイエンティフィック・リテラシー」を低下させるという間接的な被害をもたらすのではないでしょうか。
 自然の「自然」な姿を知らない人には、自然環境の破壊も何もないわけですから。
 それにしても、「ウラン・バケツ」みたいなものをチェックする機能のない「原子力推進国家」、考えようによっては独裁政権国家より危険です。国際的な懲罰とか監査とかないものでしょうか? すでにあったんでしょうか?

■ 「コンコルドの誤り」
 同意語句を知っています。
 「わかっちゃいるけどやめられない」(青島幸男作詞「スーダラ節」)。

「コンコルドは、開発の最中に、たとえそれができ上がったとしても採算の取れないしろものであることが判明してしまった。つまり、これ以上努力を続けて作り上げたとしても、しょせん、それは使いものにならない。ところが、英仏両政府は、これまでにすでに大量の投資をしてしまったのだから、いまさらやめるとそれが無駄になるという理屈で開発を続行した。その結果は、やはり、使いものにならないのである。使いものにならない以上、これまでの投資にかかわらず、そんなものはやめるべきだったのだ。
 このように、過去における投資の大きさこそが将来の行動を決めると考えることを、コンコルドの誤りと呼ぶ。」
(14P)

 「コンコルドの誤りは、人間の活動にしばしばみられる。元祖のコンコルドもそうだが、作戦自体が誤っているのに、これまでにその闘いで何人もの兵隊が死んだから、その死を無駄にすることはできないといって作戦を続行するのもその例である。過去に何人が犠牲になったかにかかわらず、将来性がないとわかった作戦はすぐにやめるべきである。」(15-16P)

 「大陸移動説を提出しウェーゲナーに対し、その当時のアメリカ地質学会の大物の一人は、「大陸が安易に動くなどという考えが許されるならば、われわれの過去数十年の研究はどうなるのか?」といって反対したというが、これなどは、過去の投資に固執する考えを如実に表わした言葉といえるだろう。

 ところで、コンコルドの誤りは、人間が動物の行動を解釈するときに犯す過ちであって、動物自体がコンコルドの誤りを犯しているのではない。コンコルドの誤りは誤りなのであって、誤りであるような行動は進化しないはずだからである。ではなぜ人間の思考はコンコルドの誤りを犯しがちなのだろうか? この誤りには、何か人間の思考形態に深くかかわるものであるように思われる。」
(16-17P)

 その思考形態が選択したのが「大量生産・大量消費」の世界?
 「原発推進」が「コンコルドの誤り」でなければよいのですが。

【3 引用いいとこどり】
■ 国連の発表によれば、先月、世界の人口は六十億を越えました。

「実際問題として、地球の生態と人口がどのような軌跡をとるかは、生態学者や経済学者のモデルが誤差の範囲内で正しく現実を予測し得たかどうかとは別に、多くの人々の運命を左右する。そして、悪い運命のほとんどは、途上国の人々に襲いかかるのだ。
 現在の地球人口は、先進諸国と途上国とで、約一対四の割合で分布している。そして、この二つのグループは、「金持ち」と「貧乏人」として世界を二つに分けている。「金持ち」の年間人口増加率はたった〇・一%だが、「貧乏人」の増加率は一・八%である。「金持ち」の幼児死亡率はたった〇・九%だが、「貧乏人」のそれは六・四%である。「金持ち」の平均年間GNPは一万九三一〇USドルだが、「貧乏人」のそれはたった一一二〇USドルである。そして、「金持ち」の一人である日本人が想像するのとは違って、「金持ち」の人口密度が一平方キロ当たり二二人なのに対し、「貧乏人」のそれは五五人である。

 これらの数字だけからでも、「金持ち」がいかに楽な暮らしをし、「貧乏人」がどれほどひどい生活状態にあるかが予測される。「金持ち」国の上から二〇%が、世界の富の八四・七%を支配しているのに対し、「貧乏」国の下から二十%は、世界の一・三%の富しかもっていない(一九九一年において)。この不平等は、以前から指摘されているにもかかわらず、近年、差はますます広がりつつある。」
(146-147P)
□ なんだかネガティブな引用ばかりになってしまいました(陳謝!)。
 著者長谷川真理子さんの「目」「こころ」は優しく柔らかなもの。
 読んでみて確かめてちょ!

長谷川 真理子(はせがわ・まりこ1952- ) 岩波新書1999/07/19---ISBN4-00-430623-X






 画像処理仕事@「OLD BRICK HOUSE」。午前十時半から午後四時。

 仕事場での様子を「BooxBox BBS注文の多い掲示板」への書き込みから引用。

[AREA]りんだ・りんだ 投稿者:BooxBox 田原ひろあき  投稿日:11月04日(木)20時12分30秒
 札幌の女性DJ りんだ さんから届いた、 タルバガン http://tarbagan.net/ 出演のラジオ番組収録CDを 嵯峨治彦 http://tarbagan.net/saga/ さんから借りて聞きました( 等々力政彦 http://tarbagan.net/riki/ さんに送るもの)。
放送は今年の7月6日、収録は7月2日( 「TAIGAM」 www.booxbox.com/works_a901.htm の録音当日!の夜)。


  タルバガンCD「マイ・タイガ -タイガム-」


放送局は 「AirG」 、番組は 「インディーズマニア」 。

 番組名通り、札幌近辺のインディーズを紹介するというもので、常連リスナーはいきなり馬頭琴やら喉歌やらが聞こえてきて驚いたことでしょう。
 ライブ情報も 「キタラ小ホール」 、他の正統派(!?)インディーズが正統なライブハウス等での演奏らしいのに比較すると、なんだかおかしい。 

 DJのりんださんは若くてかわいいいまどきの女の子。かつ賢げで礼儀正しい。
 一度彼女に会ったことのある田原はすっかりファンになっていて、放送局に向かう二人が羨ましかったさ。(田原は録音場所の 芸術の森 アトリエでお留守番)
 しかし帰ってきた 等々力 さんもけっこう「りんだファン」化してたぞ。

 今日画像処理現場@OLD BRICK HOUSE(Hard to Find CD [OLD BRICK HOUSE]のジャケット写真の建物!)でなにげに AirG を聞いていたら、りんだ さん登場。
 近々、四丁目プラザ @札幌中央区の 自由市場 で行われる放送局のフリーマーケットに自作アクセサリーを出品させるらしい。(オヂサン、行っちゃおうかな)

 番組内では、 セルジュ・ゲインズブール (正しいフランス語の発音を反映しているとは思えないんだけど・・・)の話をチラとしてました。
 四十歳フランス男ゲンズブールが出会ったのが、二十二歳イギリス女 ジェーン・バーキン 。以後十数年、あの関係が続く・・・。

 でまあ、一人、画像処理仕事をしながら、「オヂサン」とは?とか考えてたのさ。考えても考えなくても「オヂサン」なんだけどさ(爆)。
 大体が、若くてかわいい女の子がいたらファンになっちゃうね。節操がない。
 でもゲンズブールみたいに、ウケちゃったらそれはそれで大変かなと。

 以上まったく脈絡のないオヂサン系戯言書き込みでした。
 サッカー・ナビスコカップをTVで見る。「鹿島アントラーズ対柏レイソル」。
 レイソルPK戦で勝利。

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コメント

ここ最近の 当ブログ 検索ワードランキング1位は「長谷川真理子」 さん。学生のみなさんのレポート課題テーマにでもなっているのかな? もし当方の記事が参考になったら、お便りでもください。 プレゼントも歓迎します(ヲイヲイ、笑)。 もし本当にそういうことなら、がんばってください。 落ち着いたら、原典にもちゃんとあたってね・・・。

投稿: 田原@BB | 2006.03.24 10:05

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