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20000522 吉岡嶺二 『北前海道カヌー膝栗毛』 / 新田少年のCDのタイトル名は?

吉岡嶺二 『北前海道カヌー膝栗毛』
 「ポルケ・ブック・レビュー http://www.booxbox.com/porque/」 より

【1 キイワード 「サラリーマンは気楽な稼業ときたもん」か?】
 副題は、「敦賀-青森間一二〇〇キロ 中年カヌーイスト冒険航海記」。「中年」と「カヌー」の間に、「サラリーマン」の語を入れると、より正確になります。
 『北前海道カヌー膝栗毛』著者の吉岡嶺二(よしおか・れいじ)さんは、一九三八年、旧満州ハルビンに生まれ。
 サラリーマン生活を続けながら、休暇を利用し、カヌーで本州・四国九州の沿岸をすべて漕ぎ渡ったという奇特な方。

 第一弾「東海道中カヌー膝栗毛―鎌倉‐京都間一〇六五キロ 中年カヌーイスト単独航海記」では、鎌倉・腰越海岸から京都までの一〇六五キロ。第二弾「奥の細道カヌー膝栗毛―鎌倉~青森間1200キロ中年カヌーイスト単独航海記」では、鎌倉から青森まで一二○○キロ。第三弾が『北前海道カヌー膝栗毛』。
 その後、「山陰・瀬戸内カヌー膝栗毛―敦賀‐大阪間1400キロ 中年カヌーイスト冒険航海記」(ここまですべて「山と渓谷社刊」)を出され、九十年代に入り、「ぐるり九州島カヌー膝栗毛」、「四国三十三ヶ所カヌー膝栗毛」を私家版として出版。

■ 「サラリーマンは気楽な稼業ときたもん」か? 
 若き日の植木等さんが「サラリーマンは気楽な稼業ときたもん」と唄う映画の一シーンを利用したCF、最近よく目につきます。
 自ら「尺取虫方式」と名づけた、サラリーマン吉岡嶺二さんのウィークエンド・アドベンチャーは、サラリーマンでなければ成し遂げられなかった快挙かもしれません。

 休暇を利用しての、やりたい事、目標があって、そのことに関して、周囲・職場からの理解が得られて、ほんとにやりたい事やってしまう。
 吉岡さん、日本一幸福なサラリーマンではないでしょうか。

 行く先々での人との出会い・交流は、確固とした趣味を持った人ならでは。サラリーマンが気楽な稼業かどうか、今のぼくにはわかりませんが、こういう勤め人生活なら、悪くないですね。

■ 北前・昆布ロード 
 そもそもこの本を手に取ったのは、裏日本・環日本海の大物流ルートであった、北前船の航路「昆布ロード」について書かれた本を探す過程で。どんな学者さんの本もさすがに、実際日本海沿岸を船に乗って書いてはいませんが、吉岡さんは本物の船乗りだった(笑)。

 サラリーマン冒険家吉岡さんに負けないように、「北前ルート」を勉強して、自営業者研究家でも目指そうかな。

 『北前海道カヌー膝栗毛』読了後、読み始めたのは、司馬遼太郎さんの『菜の花の沖』。来年、竹中直人さんの主演でドラマ化されるようでこれも楽しみ。

【2 ネット上で知る】
http://peach.mis.ous.ac.jp/~horizon/harappa/_news/_news98/news98-28.html
 最新刊『四国三十三ヶ所カヌー膝栗毛』を紹介したページ。
 「定年後はのんびり旅ができると楽しみにしていたのに、役員に昇格するという内示を受け取ってしまった困惑」なども書かれているそうです。

【3 引用いいとこどり】
■ 「裏日本」出身者は大いに共感するでしょう。

「十二時十分、柏崎。
  突堤の先から港内をのぞいてみるだけで、寄り道をしていくこともない。この港もまた北前船の回船と共に栄えてきたのであるが、越後地方一帯の物資の集散地であると同時に、小千谷縮布(ちぢみ)の仲買人が旅立っていく港でもあった。商人達は高級な反物を担いで京大阪に出向き、中央の文化を持ち帰って特有の風土を築いてきた。こうした気風から柏崎は諸国の文人墨客が集まるところとなり、芭蕉も近松も、また近代文学黎明期以後も、この地を舞台とした数多くの文学作品が生まれ、「文学都市」と呼ばれるに至ったという。日本海を旅して思うのだが、こんな所にと思うような土地でありながら、中央との繋がりが残されて、その土地の人々の誇りになっていたり、またそうした繁栄がすっかり忘れさられていることに驚くことが多い。裏日本などという軽率な一語で片づけられてしまっているが、東京偏重の現代より行政も文化もかえって公平に広がっていったように感じられる。近代都市に変貌してしまった今日なお、柏崎には文学作品を生み出した風物が残されているのだろうか。「夜泣く鳥の悲しさは、親を訪ねて海越えて、月夜の海に消えてゆく」この海岸に立っているという浜千鳥の歌碑の一節である。子供の頃に口ずさんだ、詩も曲も涙が溢れるほどに悲しく懐かしい童謡を、ぼそぼそと唱いながら過ぎていく。」
(149-150P)

吉岡嶺二(よしおか・れいじ 1938- ) 山と渓谷社1989/08/30----ISBN4-635-28013-6




 夜、東苗穂の 新田「少年」昌宏 www.nittaoyako.com/ さん宅で、カホン奏者の 金井秀正 さんとの、CD録音へ向けてのリハ。
 新田君、幸せそう。

  新田昌弘CD「SHAMISEN KID」

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