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20010102 中抜きの話

 利尻・六日目。足(自動車)がないので、ずっと実家でTVを見てる。 昨晩のBS1正月番組「21世紀の日本人へ」第一回をちらっと見て興味をひいたことを。番組は田中直毅さんを出演者・構成者・ナビゲータとして中心にすえ、日本社会のこれからを経済的側面から探るもの。

 公共事業の今日的なあり方として紹介されていたのが、青森県下北半島に位置する、大畑町の事例。そこには町民が組織したNPOがあり、市民が町作りの提案をし、実現されているのだという。実例としてあげられていたのは、町を流れる川の河川工事。

 かつて治水を目的に蛇行していた川は直行工事化されたのだが、その結果、川から海に流れ込む様々のものが魚網にひっかかったりと色々な問題が出てきた。そこのNPO法人は、自ら自然に近い工法を学ぶため、高知から研究者を招き、新しい工法を提案し、それが実現された。

 面白いのは、従来のコンクリート化される河川敷工事ではなく、自然のあり方に近い工法が、建設省に歓迎されたというあたり。何かのTVで、建設官僚には、新しくて環境に優しい公共事業を試行したい人間もいるのだが、地方自治体の提案がなくそれもできていないと紹介されていた。

 NPO法人という、いままでの地方自治のしがらみから自由な組織が、自由で市民の立場を代弁する提案を、市町村・都道府県という「仲介者」を飛び越すかのように、国の有能な官僚に提出し、それが現実化されていく。それが、「仲介者」の意識を変え、財政を健全化する。

 一つのNPO法人の有効な取り組みから、大きく世の中が変わる可能性を感じる。NPO法人という第三者が、一般市民がコントロールできない(と思い込んできた)公共事業の透明化につながるとしたら。談合・癒着の起こりにくいシステムが構築されるとしたら。

 近似自然工法の研究者の名前は明かされなかったが、確かに高知の、と紹介された。高知県が水源税の導入を決定、というニュースを新聞で見て、さすが橋本さんやるなあ、と思っていた矢先だったので、印象に残ったのだ。高知県、侮りがたし。

 中抜きの話をもう一つ。 スポーツ新聞嫌いで有名な中田英寿のスポーツ新聞上でのインタビューが公開された。http://www.sponichi.co.jp/soccer/  インタビュアーは、金子達仁氏。

 中田くんのメディア不信は有名で、中途半端な取材は許さないし、ファンに自分の思っていることを正確に伝えたいがために、ホームページを作ってしまった。http://nakata.net/  そこからの記事の転載は固く禁じるという念の入り用。

 おそらく、中田英寿の真実は、各種報道の中ではなく、彼のホームページの中にある。よって、中田英寿をより正しく知りたい人間は、ネットワーカーになるしかない。ローマから本人が自身の試合やら生活やらを綴った文章が寄せられるとなれば。

 そして、各種報道は、いい加減なことを書けなくなる。NPO法人が、公共事業案を作りそれが建設省に認められてしまったとき、建設業者や地方自治体がいい加減な工事をできなくなるように。 コンピュータネットワークのゆるやか・確実・堅実な検閲作用。

 その中田くん、「Ryu's Bar21」という番組に出ていた。 村上龍さんが昔司会を務めた「Ryu's Bar」の2001年特別版。 他のゲストはビートたけし・坂本龍一・中山美穂各氏。 村上・中田両氏の友人間対話が紹介される。

 内容的には、金子氏による新聞インタビューと重なる部分も多かった。村上龍さんは番組中で、「でも、君のホームページ見ているけど、サッカーの才能を100とすると、日本語の能力は2ぐらいだな。」(金子達仁・談)みたいなことは言いはしないが(笑)。

 今既得権の恩恵に与かる大きな組織体・その力が、ネットワーク社会の中で、その大きさ強力さゆえに、骨抜きになっていく傾向がますます強くなるんだろうと思う。 ぼくなんかは、ネットワーカー増加、大歓迎だけど。弱小だから。

 一般市民のほうが有効な工事工法を習得するって、どういうこと? 記者よりも中田くん本人の意向で編集される記事って、中田英寿の今を伝えるには、新聞よりホームページのほうが、報道のあり方として正しい、と新聞社自ら認めてしまったようなものではないか?

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