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20040129 キレンジャクとナナカマド

 キレンジャクはこんな鳥

  

 今ぼくが住んでいる江別市の「市の木」は「ナナカマド」。平坦な土地に遥か彼方までまっすぐ伸びる通りが市内に何本も走り、秋になると街路樹のナナカマドの赤い実と紅葉が映え、江別市の街並みを特徴づけます。
 そして、江別では毎年この季節になると、ある日キレンジャクが群れで渡ってきて、雪の中に立つナナカマドの枝に残った実を食べ尽くし、忽然とまたどこかへ去っていきます。

 そして、今年は今日がその日でした。

 ナナカマドはこんな木

  

 朝、いつものようにコンピュータに向っていると、朝日が差し込む曇りガラスになにやらたくさんの動く影が。
 居間の窓から覗くと、家のすぐ前に何本かはえているナナカマドの木に、キレンジャクが「たわわに」止まり、すでに随分数の減った実に忙しそうに食いついていました。
 その名が表しているように、尾羽の黄色が美しい。長い冠に黒い過眼線。あまり出会う機会のない鳥でもあり、しばし見とれてしまいました。人の気配・車の気配があると、群れごとさっと木から飛び立ち、黒い影になってしばらく旋回すると、やがてまた実のある木に群れごと帰ってきます。

 正月は、サロベツや利尻島の海岸で、オオワシたちの姿を見ました。彼らは北の方、サハリンかシベリアから、渡ってきます。
 キレンジャクはどこからやってきたのでしょうか。ぼくの父親が、利尻島の自宅の庭にやってきたキレンジャクを撮影した写真を見た記憶があります。彼らもまた海の彼方からやってきたのでしょうか。

 午後、明後日にせまった放送大学の単位認定試験準備で「生命環境科学Ⅱ」のテキスト(生命の起源や、進化、寄生・共生・共進化のことなどが書かれている)を読んでいて、朝見てキレンジャクのことでいろいろ疑問がわいてきました。

 疑問その1。
 キレンジャクにごくごく近い種にヒレンジャクという鳥がいるそうです。こちらもその名の通り、キレンジャクなら黄色になっている尾羽の端が緋色になっています。
 なぜ、黄色や緋色で、緑や青ではないのか、は置くとして(それも疑問ですが)、どうもキレンジャクとヒレンジャクは厳密に棲み分けしているわけでもなく、ときにキレンジャクの群れにヒレンジャクがまぎれこんでいたりということもあるようで、かといって交配して黄色でも緋色でもない色の尾羽が現れるわけでもなく、種として明確な違いを保持しているようです。
 そういう風にできている、から「自然」なのかもしれませんが、アオレンジャクやミドレンジャク、モモレンジャクはいないで、なぜ黄色と緋色なのか。まあ五色揃ったら、ヒーロー戦隊物になっちゃいますか・・・。
 アバレンジャク・・・。と、小声で言ってみる・・・。

 疑問その2。
 しかしなぜ今ナナカマドの実を彼らは一心に食べているのでしょうか。
 今のナナカマドの実がなってから少なくとも四ヶ月は確実に経過しています。毒のない実なら、年明け前にでも食べつくされていても不思議ではないのに。

 自分なりに理屈をつけてみたのですが、それは「ナナカマドの実は毒ではないが、食べておいしくもない。それでもこの季節、レンジャクが口にするのは、冬で食べられる物が底をつくからに違いない」というものです。
 その自説を妻に告げたところ、「いや、ナナカマドの実はこの季節に熟すから食べているのだ」という説できり返され、結局互いに譲ることなく、結論も出ないままで終わった次第。
 まあ、そんなにおいしくなったものなら、このへんの鳥たちがむざむざ「渡り」の鳥の食べるにまかせるということもないと思いますが。

 それはともかく、目前の食物を、食うものがないからこれでも食うかと思って生きる人間と、これは今が食べ頃と思って生きる人間、そういう人間分類もあるのかもしれません。


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