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20050818 高松伸・杉浦日向子・榎本了壱

   * [うつくしく、やさしく、おろかなり―私の惚れた「江戸」] 杉浦日向子

2005年7月、杉浦日向子さんの死。日向子作品・発言・存在の再確認をしようと、1991年発行の季刊誌「コラボ」第2号を久々手にとる。発刊当時、自分は京都に住んでいて、そこでそれを購入した。それから大阪府吹田市・北海道江別市内と合計三度の引越をしたが、ずっと捨てられずにいたものだ。

建築家・高松伸さんと漫画家・杉浦日向子さんの対談を、「ビックリハウス」世代にはなつかしいかも、の榎本了壱さんが編集・アートディレクションしたもの。その対談内容の面白さ・濃さもさることながら、そのデザイン性の高さ・造本の凝り具合は特筆もの。ポートレイト写真は高梨豊さんだし。対談場所も、東京・京都・東京と少なくとも三転はしている。

発行はビルディング不動産株式会社。プロパーの出版社ではない。どんな会社なんだろうと、いまごろググってみた。まあ、1991年当時は、インターネットなんてもちろんなかったし。
なんと、それから十年後の2001年
「不動産賃貸・管理のビルディング不動産(株)(負債940億円、東京都)は、バブル期には賃貸部門の拡充を図り首都圏において貸ビル業を中心に手がける一方、地方ではワンルームマンションおよび建て売りビル業務を行っていたが、バブル崩壊による賃料相場の下落から業績はジリ貧となり、不動産物件の取得にともなう旧・住専などからの借入金負担が重荷となり資金繰りはひっ迫、所有物件売却や人員削減などリストラを進めたものの、大幅な債務超過は解消されず、特別清算を申請した」
http://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/0106.html ということになったらしい。

季刊誌「コラボ」は、バブルの所産だったのか。

30代前半、まだ「漫画家」だった日向子は語る、
「最近、気が付いたことなんですけれども、江戸だけなんですね。ほかの地方都市ではちゃんと「住まい」という形態があるのに、江戸にはテントと兵舎(武家屋敷)しかない。みんな仮設の露営。江戸の土地に、ビバークしてるんです。つまり、住居がないんです。ほかの世界の都市でみても、そういう街の成り立ち方をしているのはちょっと思いあたらない。そんな地に住もうとしたときから東京の間違いがはじまったような気がしています。本当は、東京に「持ち家」を建てる、という行為そのものが、掟破りの使用法なんですね。」8P
そういう時代、そういう土地に、われわれは生きている、生きていた。

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