20050820 1957生・1958生・1959生
タルバガンCD「野遠見」 、月刊「stereo」誌(音楽之友社)200509号「話題盤」コーナーにて、増渕英紀さんによるご紹介をいただく。
「とてつもなくディープなのが、タルバガンの3作目『野遠見』だろう。タルバガンは故安東ウメ子の遺作となった『ウポポ・サンケ
』やライブなどのバッキングを務めて注目を集めたフーメイの名手(ロシアのモンゴル圏トゥバ共和国の喉唄)の等々力政彦
、モンゴルのホーミー、馬頭琴の名手の嵯峨治彦
からなるユニット。新作ではトゥバ民謡、モンゴル民謡からアイヌ民謡など汎北東アジア音楽を斬新なアレンジで聴かせる。喉唄特有の響きを聴くとどこか郷愁を禁じ得ないのは、やはり同じモンゴロイドというブラッドラインのなせる業だろうか。」197P
駒大苫小牧、優勝。なんと夏の甲子園二連覇。奇跡に近い。高校野球にほとんど興味のない自分のような人間(母校は南北海道地区に属するにも関わらず)にも、ある種の感慨と驚き(こっちの方が大きいか)。
杉浦日向子さんの死以来、自分の世代について考えることが多くなった。自分は杉浦さんと同1958年生まれ。その年、長島茂雄
さんが巨人入りし、チキンラーメンが発売され、東京タワー
が完成した。以後、小学入学時期の東京オリンピック
・人類初の月面着陸
生中継TV・小学卒業時期の大阪万国博覧会
・(特に北海道人には印象深い)1972年の札幌冬季オリンピックのあたりまで、高度成長期
と自らの少年時代が重なり、その後曖昧な70年代半ばから80年代半ばまでの10年間(「日本列島改造論
」をうけての土地神話が深化した時代でもあった)を曖昧に過ごし、土地神話熟成のバブル期と土地神話崩壊後の平成不況
を成人(式後?)体験し、現在に至る、という年代。
杉浦さんに限らず、坪内祐三さん・君塚良一
さん・ サエキけんぞう
さん・斎藤綾子
さん・小室哲哉
さん・假屋崎省吾
さん・日比野克彦
さんもそう1958年なんだよなあなどとのんきに、いろんな本のパラ読みをしていたら、みうらじゅん
さんもそうだった(『見仏記
』(いとうせいこう
・みうらじゅん 角川文庫 19930625)を見ていた)。そういえば、この人は翌1959年だが、学年はいっしょだ、と、やく みつる
さんの『やくみつるの原色トイレットペーパー大全
』(扶桑社文庫 19940530)も眺めた。大阪万博の本『EXPO70伝説 日本万国博覧会 アンオフィシャル・ガイドブック
』(メディアワークス 19990820)を見て、岡田斗司夫
(1958年生)さん・田口トモロヲ
(1957年生)を発見。
そうこうするうち、山田五郎(1958年生)さんの『20世紀少年白書 同世代対談集
』という本に出会ってしまった。登場人物とその生年月を登場順に紹介する。
みうらじゅん 195802 京都府生まれ(以下同様)
大岡玲 195810 東京都
小西康陽 195902 北海道
しりあがり寿 195801 静岡県
岡田斗司夫 195807 大阪府
サエキけんぞう 195807 千葉県
大月隆寛 195903 東京都
唐沢俊一 195805 北海道
えのきどいちろう 195908 秋田県
やくみつる 195903 東京都
田口トモロヲ 195711 東京都
喜国雅彦 195810 香川県
鴻上尚史 195808 愛媛県
早い話が、自分は、第一次オタク世代かつサブカルチャー
勃興世代に属していたということか。この歳になって気づくなんて、同世代人はすでにそれぞれ「大家」になってしまっているのに!
それはともかく。当面、この57/58/59年代の探求が続く予感。
日本以外では、たとえば、キース・ヘリング、プリンス
、ケイト・ブッシュ
、マイケル・ジャクソン
、マドンナ
、みな1958年生まれ。全世界的・・・?
| 固定リンク
「21 タルバガン=等々力政彦+嵯峨治彦」カテゴリの記事
- 等々力政彦:トゥバ(南シベリア)音楽の世界 レクチャー&ライブ(2011.04.22)
- 等々力政彦・札幌 「石の蔵ぎゃらりぃ」ライブ・2010年12月7日(2010.12.01)
- 等々力政彦・「ゆいかじ」ライブ・2010年11月3日(2010.11.02)
- 20100104 等々力政彦ライブ・ トゥバ共和国の民族音楽の夕べ・アシュクルク @ 京都 出町柳(2010.01.04)
- タルバガン 久々の札幌ライブ のお知らせ(2009.04.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
はじめまして。TBありがとうございます。
1958年生まれは、私のブログに登場した人では、岡崎武志や堀井憲一郎などがいます。
坪内祐三は、『私の体を通り過ぎていった雑誌たち』(新潮社)のなかでこう言っています。
<私たち、一九六〇年前後に生まれた「第一次オタク世代」は、総合雑誌としての少年週刊誌に出会い、しかも、ものごころつくころにその黄金時代を迎えた幸福な世代であるといえる。私たち世代の文筆家や「論客」たちが皆、私の個人的な好き嫌いはともかく、それ以降の世代に比べて、遙かに雑学的知識や教養に恵まれているのも、すべては、子供時代にむさぼり読んだ(であろう)少年週刊誌のおかげだ。>
ホントに『少年マガジン』などのおかげかどうかは分からないが、確かにこの世代は雑学的知識が豊富そうだ。うらやましいなァ。
投稿: ii氏 | 2005.08.22 21:20
> ii氏 さん
はじめまして。コメントありがとうございます。昨日、坪内祐三さんの『1972』を読んだばかりの田原です。
少年週刊誌の影響もあるでしょうが、物心つくタイミングが、TVの創生期・黎明期と重なるというものあるかも。誰かが「ウルトラQ」をリアルタイムに見た世代と言ってましたが(確かに見ました)。
ぼくらより上の世代は、TVは異物だし、下の世代にはあまりに当たり前のものでTVというメディアに新鮮な驚きもなかったのでは、と勝手に思っています。
自分も「雑学的知識が豊富」なのかどうか自分ではよくわかりません。大家たちほどではないという自認があって、反「第一次オタク世代」的な、「民藝」(手仕事の日本!)の世界にひかれる自分がいるのかもしれません。(「20050822」分、ご参照のほど)
ではまた!
投稿: 田原@BB | 2005.08.24 08:39