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20051003 ユニクロ・タナカノリユキ・喉歌

   * [タナカノリユキの仕事と周辺 (Artist,Designer and Director SCAN)] タナカノリユキ

 ただいまオンエア中の、ユニクロのカシミヤCF、田原の周辺でも話題になっております。


http://www.uniqlo.com/check/cm/index.html

 とはいうものの、ユニクロとかカシミヤそのものなどが評判になっているというわけではなく、そこで使われている喉歌のことで、話が盛り上がっているという状況です。

 ユニクロのCFといえば、タナカノリユキさんが、クリエイティブディレクターを務めているはず。
 さすがであります。

 実は、タナカさんとは、一度だけお会いしたことがあります(もちろん、向こうさんはぼくのことを全く覚えていないと思いますが)。
 札幌のICCというところに入居していたころ、そこで行われたセミナー「タナカノリユキのクリエイティブワーク」(2002年03月16日(土) 榎本了壱さんが司会役)に出席(というか、なぜか音響・映像機器のセッティング担当で参加してたのです)。
 そこで紹介された一連のユニクロCFに驚嘆。その場で回覧された『タナカノリユキの仕事と周辺』にさらにまた驚嘆。
 セミナー終了後、音の使い方が素晴らしい印象を受けたことを告げ、そこで一言二言立ち話できたのでした。

 セミナー中で、よくタナカさんが口にしていたのが、「クリエイティブ」という言葉でした。
 これは、「クリエイティブワークを担当する側の人」の意味のようで、企業CFの仕事の場合、それに対峙するのが「ビジネス」「マネー」「マーケティング」サイドの人、ということになるのでしょうか。

 ユニクロの場合、後者の人たちが、前者の事情をよく理解している、ということを感じます。
 なにせCFに縁のなかった(おそらくはそういうものを目指していたわけでもなかった)「アーティスト」タナカノリユキをCFディレクターとして抜擢し、数々の名作CFを企業とアーティスト間の「コラボレートション」として作り出し続けているのですから。

 でまあ、今回の喉歌CFも「やられたー」という印象です。
 おそらく、あの音で、大半の人が、TVに目をやるでしょう。そして目にせざるを得ないでしょう。遊牧の地で、先祖代々ユニクロのカシミヤを着ているかのような、その地の民のりりしくも美しい姿の数々を。

 極端な話、100年後、ユニクロという企業の存続は不確かなことですが、タナカノリユキの一連のユニクロCFのアートワークがアーカイブとして残っていることは間違いないことと自分には思われます。
 ときを経ても消え去ることのない人間の営為が「アート」だとすれば、タナカノリユキさんのお金儲けのための企業CFが、自称アーティストさんの自称アートよりも、「アート」として後世に残る確率のほうがよっぽど高いのではとも思います。

 つまりは、ユニクロという企業の活動も、もしかしたら、へっぽこなアーティストの仕事よりはよっぽど立派な「アートワーク」かもしれない、ということですね。

 田原の周辺では、あのCFに喉歌が使われていることに、驚きと喜びと戸惑いを感じている人が多いようです。
 田原はそんなわけで、喉歌の使用うんぬんよりも、それによってタナカさん(とユニクロ)のアートワークが、どういう形であれ、注目されることのほうがうれしいです。

 今後のCFも楽しみです。

 (てなこと書いておきながら、自分がユーザーになったとき、ユニクロの商品買っているかというと・・・。っていうか、買う気があるかっていうと・・・。
 本当に消費者心理って、難しいもんです。しみじみ・・・。
 みなさんも、ブックスボックスの作品、よさげと思ったら、そこに留まらず、さっさと買ってください。ああ、セツジツ・・・。)



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