20060924 伸び・縮み・する一週間
午前九時、NHK教育『新日曜美術館』。特集「あの名品とあの名場面に会える 日曜美術館30年展から」。
「今年、日曜美術館は放送開始から30年を迎えた。どんな人の心にも美しいものを求める気持ちがあるはず。そんな美の灯火に点火することを番組の使命として、1976年4月以来、放送回数は1560回を超えた。これほどまでに一貫して美を伝え続けてきたテレビ番組は世界でも稀である。先週の石田徹也さんの回 * の印象が強く、この特集の「豪華さ」がかえって空疎なものに感じられるほど。
そして、この秋から記念展が東京藝術大学大学美術館で始まる。30年間の名場面映像と、そこで語られた名作の実物が一堂に会するユニークな展覧会だ。司馬遼太郎や手塚治虫、白洲正子といった錚々たる文化人たちの姿。彼らが語るピカソやルノワール、黒田清輝、菱田春草らの珠玉の名作。そして田中一村を始めとする日曜美術館が世に知らしめた作家たち。
番組では展覧会場を訪ねながら、名作の背景を日本の知性とともに探り、当時の関係者の証言を交えつつ、美を伝え続けた30年の歩みをふりかえる。」 NHKオンライン ホームページ http://www.nhk.or.jp/ より
「石田徹也遺作集」求龍堂 (2006/05 ASIN: 4763006290) *
それにしても、「放送開始から30年」の番組と「生まれて死ぬまで31年」の生。
30年ほどにもいろいろある。
午前11時から、STV(札幌テレビ放送)の「D!アンビシャス」 * という番組で、久保俊哉さんがが特集されているのを見る。第1回札幌国際短編映画祭 * での、久保さんのプロデュースワークと長年の夢が見事に実現した瞬間を紹介するもの。
久保さんもいわゆる「万博世代」に属し、こちらもときどき「プロデューサー」呼ばわりされることもあり、どうしても自分の「仕事」と久保さんのそれを比較してしまいがちになる。作っているものの質が違うとはいえ、どう考えても、自分のほうがもっとがんばらなくちゃ、という結論。
また、久保さんとゆっくりじっくり話をする機会が持てればと強く願う。
11月のタルバガン * 全国ツアー、12月10日のブックカフェ「ブックスボックス 香聡庵」の開店 * 、をひかえ、その準備期間中、というところなのだけれど、季節の変わり目でも(もしかして自分の人生の変わり目でも)あり、時間の流れ方がなんだか、普段と違う感じ。
20日水曜日は、赤平・長沼へのドライブ * 。
21日木曜日は、「ブックスボックス 香聡庵」開店準備で、志羅山さんと蔵書のクリーニング二回目。
志羅山さんに、手元にあった、岩波文庫の宮本常一『忘れられた日本人』 * 中の「土佐源氏」読書をすすめると、志羅山さん読書に没入。こちらは、テーブルの端に築かれた本の山を、一冊一冊きれいにしては、テーブルの反対側の端に移動し、テーブルの向かい側で、志羅山さんがしばし手を止めて読書に励むという図。
読了後は、当然その内容について語り合うことに。
「土佐源氏」を読んだことのない方にはわかりにくいかもしれないけど、そういう状況で「土佐源氏」について語り合うというのは、かなり、二つの人生の交差としては「笑える」。
志羅山さんと、森田芳光 * 監督あたりがこんなシーンを撮ったら、絶対面白いだろうね、という結論に。
22日金曜日は、江別の自宅で、古書のデータ登録、ウェブ更新、商品郵送、等々の、おそらくはこれから毎日一日たりとも逃れることのできない作業を淡々とこなす。
そんな中、1980年前後に発刊されていた雑誌「ハッピーエンド」通信のデータアップ作業中に、先週の「石田さんの日」に電話いただいた、石田善彦 * さんのお名前を他ならぬその雑誌の中の書き手さんとして発見する。
やれやれ。今から四半世紀以上前の大学時代、発売を楽しみにしていた雑誌のトップライターさんと、こういう形で出会うことになろうとは。
石田善彦さんとも、改めて、じっくりお話する機会を持たせていただかねば。
柏艪舎刊の「僕はアメリカ人のはずだった」(石田さん訳) * 読もう。
23日土曜日は、午後七時からの、安倍新総裁・首相の特集TV番組をちらちら見ながら、作業。
「安倍一族」、特色のある顔付きの人が多くて面白い。祖父・岸信介さんと妻・昭恵さんまで。もう一方の祖父・安倍寛さんの面相が知りたい。
24日日曜日、「文楽人形遣いの吉田玉男さん死去」の報。
自分の中では、中田英寿やイチロー・松井の現役時代に生きられたことと、吉田玉男 * さんの舞台を大阪の国立文楽劇場で何度か見られたこと、ほとんど同価値。
さて、また新しい一週間。
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コメント
石田さん出てきて及川さんと以前会ったんだよね。「僕はアメリカ
・・・」はここにも置いています。いつでもどうぞ!阿部守展今週
まで来て下さい。
投稿: 中森敏夫 | 2006.09.27 17:54
中森敏夫さん
コメント、ありがとうございます。
そうでした、「僕はアメリカ・・・」、中森花器店のあの棚で見ていたのでした! あの空間で、いろんな人との出会いがあったのだといまさらながら思います。
投稿: 田原@BB | 2006.09.29 20:45