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20070830 「民藝」 27号・1955年03月・口絵 日田の皿山/雛人形


表紙:小鹿田の蓋付壺

目次
[重要無形文化財指定?]//[小鹿田窯を訪ねて]式場隆三郎/[小鹿田の魅力]永竹威/[小鹿田の皿山]野間吉夫/[小鹿田の模様]//[味ではない味 五十年前の今 3]河合寛次郎//口絵[日田の皿山]//[日田紀行]松方三郎/[流し雛]野老純一//口絵[雛人形・芹沢銈介氏の住居]/工芸作家の暮し方/[芹沢工房見学]鈴木朱竹/[雪の東北]伊東安兵衛/[着物随想]大塚末子/[リーチの手紙]/...


口絵「日田の皿山」から (12-13頁)

発刊時の時代背景を知るには : 1955年


口絵「雛人形」から (20-21頁)

テキスト一部引用:
26頁 「着物随想」 大塚末子

「 鹿児島沖にオランダ艦が来たとき、いまの私達に原爆が出来たことよりもおどろいたことでしょう。
 見たこともない大きな艦、異様な服装、大きなからだの赤い毛の青い眼、言葉の違う人種、文化は今では私共を地球の隅ずみまで教えて呉れて、何を見てもおどろかないようにさせています。
 十二単衣や神主さんの神服、お坊さんの衣、これも博物館あたりでそれを知り、やつと歌舞伎や文楽に、能に、微かに昔の日本の姿を伺ひ知る位です。
 けんらんたる能衣裳を見て、旧い日本の素晴しさをしのび、歌舞伎にひろがる色の美しさに圧とうされ、浅黄、紫、赤、黒の織なすハーモニーは観衆の心を演技以上に喰ひ入らせ、心からたんのうさせるそのうまさ、華かなまめかしさ、苦しさ、すべての感情を心にくいまでに引きずつています。
 こんな先祖を持つている現在、徳川三百年に完成されたという、袂のきものをかなごり捨てて鹿児島の人達がおどろいたところの洋服を平然と着込むようになつても誰れも驚かないのです。むしろ歌舞伎に見るあの姿、あの色が異様に見えるくらいでしょう。
 夢よりも早いスピード、文明という当然のすがたなのでございましょうが、おぼろげに思い出される明治の着物、大正、昭和の着物が洋服というきるものの流行から一応洋服だ和服だと言葉をあらためねばならぬ窮屈さ、なんでもたくさん物を着るということは嬉しいことですけれど、ランプもナイフも日本語に納つているように、きものといえば着るものと一ぺんに判るように一つのものになつて欲しいと思います。
 日本着の味しか知らない私には、なんとかして洋服の機能とやらに追ひつき度く、ああでもない、こうでもないとやり出しているのも長い間、今の茶羽織も短かくて済む、布が少くて安く上る、トツパーのようだとおだい目を並べてやつと陽の目を見た始末。英語の好きな日本人はトツパーといいだしてからはやり出して、トツパー羽織だという商売人もいます。
 馴れる、というほどおそろしいものは無く五十年着馴れていると、軽快な洋服姿は美しいと思いますが、それほど自分が不自由とも思わず、寒ければ少し長目に着て、暑ければ短か目に、エプロンやたすきで器用に用もなせる。裾を引けば艶な姿も着方一つでたのしめる長着も、時代ともなれば上下二つに別けてツーピースよ、と洋服の友にいざよひかけて自分の国のきものを着せようとしているわたし、この巻スカートはセーターやカーディガンとお組みになつてこの上着はスラツクスに、この茶織はジヤケツトとしてたたみの室にストーブの時代ともおかしくはありませんよ、と組ませて着ることから和服をもう一ぺん考えさせたい気持、金をかけずに女は一つでもよけいに着る夢をあることを知つていますから。」


口絵「芹沢銈介氏の住居」(右)・テキスト「工芸作家の暮し方」(左) (22・23頁)


 民藝 27号は、ブックスボックス 田原書店 で、販売中(一部限り)です。

HW5037 民藝 27号 日田の皿山 昭和30年03月号 ヤブレ・折れ有 1955 東京民藝協会
250円

 ご購入ご希望の方は、ブックスボックス 田原ヒロアキまで、直接メール yoro@booxbox.com でお申し込みください。

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