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20071101 「民藝」 51号・1957年03月・民芸洋家具


表紙:ウィンザーチェアー 松本製

目次
[椅子の文化]/[ウィンザーチェアー]市川清/[北欧の家具]式場隆三郎/[鳥取の洋家具]吉田璋也//グラフ[民芸洋家具]//[松本民芸家具の諸問題]池田三四郎/[家具の伝統とデザイン]伊東安兵衛/[洋家具を造りて]林二郎/座談[河井寛次郎の人と芸術]棟方志功・田中茂//随筆[民芸炉話]鈴木朱竹/[自在]鈴木唐輔/[大阪のたべもの]加藤三之進//[短歌 木曽路の旅]原口喜美子/[民家と商家]山本勝己/[松本の押絵びな]田中磐//...


[民芸洋家具] (14-15頁)

発刊時の時代背景を知るには : 1957年


[河井寛次郎の人と芸術] (26-27頁)


[民家と商家](42-43頁)

テキスト引用:
1頁 [椅子の文化]

「 野口米次郎に「坐っている人間」をうたった詩がある。立っている人間は自然の腹から頭の方ばかりを眺めるが、坐っている人間は大地を眺め、礼拝するにもしゃがむ必要がないという。たしかに従来の日本の文化の基調は坐るところから生れていた。たとえば花、茶、能などすべて坐る生活を無視して考えることはできない。

 しかし新しい日本人の生活は、ようやく坐る人間から立つ人間へ、畳の上から椅子の生活へと変りつつある。この詩人は五、六尺天に近いからといって、それに何の価値があるかと言っているが、能率的な動きを要求する近代生活は必然的に椅子の生活へと移っていくにちがいない。

 ところで、この新しい生活の基調ともなる椅子はいったいどんなものが作られ、またどんなものを使用しているかをみると、まだ甚だ心細い状態である。これは国民一般の生活の貧しさにもよるが、椅子の生活の歴史が浅いということが、やはりいちばん大きな理由であろう。

 今日のように新しい工業資財が使用されている時代にいつまでもウィンザー・チェアーでないことはたしかであるが、しかしこれらの生活に結びついた民芸的な美しさとその実用性とは、椅子の文化を考える場合にもう一度かえりみる必要がないであろうか。」


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