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20071115 「民藝」 471号・1992年03月・鳥取民芸美術館


表紙:鳥取民藝美術館の蔵品から

目次
グラフ[鳥取民藝美術館の蔵品から]/[鳥取民藝美術館]吉田章/[TOTTOTI MINGEI ART MUSEUM]/[今月号の図版]//寿岳文章氏を悼む:柳宗理・上田昌三郎・水尾比呂志・河井須也子・内海禎子・中見真理//[日本民藝夏期学校講座]福井会場 原点民藝(上) 池田三四郎//[民藝展・棟方展 英国の反響を読む]内海禎子//[工藝雑話―七十の手習い― 12 民藝運動草創期のメッカ倉敷Ⅲ]岡村吉右衛門/対談[アフガニスタンの織物(中)]松島きよえ・岩立広子 司会:柳宗理/[訃報 高坂貫昭氏]/[鑑賞 この一点 48 おしらさま]尾久彰三//...


[鳥取民藝美術館の蔵品から] 右:筒描橘紋夜着 左:紅型(沖縄)

発刊時の時代背景を知るには : 1992年


[鳥取民藝美術館の蔵品から] 右:蘭絵緑彩半銅甕(肥前系) 左:染付瓜壺(朝鮮)


[鳥取民藝美術館の蔵品から] 右:卵殻貼桶(日本) 左:鉄釜(日本)

テキスト引用:
52-53頁 [寿岳文章氏を悼む]所収 [寿岳文章博士を偲ぶ]水尾比呂志 より一部引用

「(前略) 寿岳文章博士は、自身の仕事を大きく分けて三つと数えておられた。「一つは、英文学を主軸とする外国文学の研究と翻訳。次の一つは、書物の美的ならびに社会学的機能の究明。残る一つは、愛着から来る和紙の学問的なとりくみで和紙学とでも名づくべきか」。(「和紙と私」・『わが日わが歩み』所収)
 第一については、ブレイクの諸篇の訳業と研究やダンテ『神曲』全訳が不滅であり、第二については、右のブレイク訳書や『絵本どんきほうて』などの、向日庵私版と呼ばれる数々のみごとな出版や、書物と書誌学と出版に関する研究が、博士のユニイクな業績として世に知られている。それらの意義の大きさは言うまでもないけれども、さらに重視したいのは、この二つと陰と陽に関わり合いながら進められた生涯にわたる仕事としての、和紙の研究である。
 和紙が、柳宗悦師の民藝美の発見と民藝運動実践の重要な一分野であったことは、あまり知られていない。同じように、寿岳博士の和紙研究が、その一翼を担って多大の成果を挙げ、和紙文化の認識に豊かに貢献したことも、知る人は多くないように思う。
 右の文によると、博士の紙との縁は、生まれ故郷の明石川上流の山村での紙漉きや、生家の寺院へ檀家が届ける年賀に添えた半紙や、父の札作り障子紙などから、夙に結ばれていたという。書誌学に興味を抱かれた京大在学中は、西洋手漉き紙の蒐集なども試みられたが、昭和六年、柳師との協同編輯による研究月刊誌『ブレイクとホイットマン』の用紙として、越前五箇にオランダの手漉き紙を倣製させるべく、このわが国有数の紙郷を訪ねられたことが、博士をして「和紙の使徒」たらしめる機縁となった。「西洋の手漉き紙などとは比較にならぬほど内容の豊富な文化財であることを、はきと思い知った」博士は、同志を糾合して研究会を発足させ、季刊『和紙研究』を出し、次々に論文を発表し続けて行かれる。
 昭和十二年からは、帝国学士院の推薦により有栖川宮記念学術奨励金を受けて、全国の和紙生産実態を調査され、悪化する時局のなかを、しづ夫人とともに、すでに細々と残存するに過ぎなくなった美しい日本の紙の生地を尋ねる行脚を重ねられた。「よく見、よく聴き、よく記録する」フィールドワークによって、当時の手漉き紙業の歴史的地理的研究を遂行されたのであった。
 その紙漉き村紀行を記述した克明な目録を整理し、向日版の一つとして、昭和十八年に百五十部を上辞されたのが、前記の『紙漉村旅日記』なのである。「用紙には越中の本高熊と佐賀の傘紙を選び、全巻十二ポイント活字で組み、それぞれの紙郷には、その土地の景観を示す写真を特にコロタイプ版として、白石産の純楮紙に印刷したものを、虫害のおそれのない蒟蒻粉糊ではりつけ、また代表的なその地の産紙を挿したり貼布したりした」この珠玉の書は、本そのものも美しい工藝品であるべきだ、とする柳師の兼々からの理念を具現した出版でもあった。(後略)」


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