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大丈夫日記 札幌・1922年早生れの北方と南方~突出した凹み・20100726-0801

20100801 1922年早生れの北方と南方
  
   * 宮崎進 『鳥のように シベリア 記憶の大地』 岩波書店


今年の北海道の七月は例年に比べて日照時間が少なかった/午前 NHKETV「日曜美術館」「宮崎進 ~シベリア・鎮魂のカンヴァス ~」 初めて知る芸術家 宮崎氏のシベリア抑留体験とその影響が主テーマ どの作品も巧くて力があって唯一無二の印象 「シベリア」がなくても、いずれ何か主テーマを見つけ出し、芸術家として一流になった人なのでは もちろんそれがあって超一流になったんだろうけど 番組によれば、シベリアに抑留された日本兵は約60万人 そのうち約6万人が死亡、その中には有為の若者もたくさんいたはず 氏には帰ってきていただいて良かった 例えば水木しげるが南方から帰って来られなかったら、それはそれは大きな損失だったろう そんな感じ 今現在88歳(水木氏と同じ1922年の早生まれ)の、パーキンソン病を抱えつつ創作を続ける宮崎氏の姿が、壮絶で尊い 外伝/午後 M19書庫 文庫本ハードカバー化3.5冊と布裏打ち2枚/夜 通常業務



20100731 店員のあるべき接客態度と真っ暗闇
  
   * 村上春樹 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』


午前 データ作業 M19書庫へ 真駒内公園遊歩道徒歩・地下鉄真駒内駅 ドニチカ切符 西18丁目駅/午後 セルフ形式うどん屋、昼食 「ステーショナリーパークミヨシ」、手製本作成用ヤマトノリデカチューブ 書庫内は北の夏の暑さ 窓開放も風ほとんど入らず・冷房機使わず、それでも関西で暮らした身には堪えることなく 文庫本ハードカバー化2冊と布裏打ち3枚 途中木工用ボンドが切れ、再び「ミヨシ」行き/午後六時 札幌駅横「ヨドバシカメラ」 利尻島で一人暮し・今年の年末満80歳になる実家の母親に持たすための携帯電話購入 登録完了まで紀伊國屋書店で立読み・時間潰し 両店内で、店員のあるべき接客態度について黙考・自戒 自分も直接対面接客はしないが店員 鶴見俊輔氏の村上春樹『辺境・近境』書評、好意的/午後八時半真駒内駅着 朝には光の中を歩いた道を逆行 真っ暗 全く暗闇に恐怖を感じなくなっている 不思議 加齢による感性の鈍化?



20100730 ワイフビータービーター
  
   * 堀場清子 『高群逸枝の生涯 年譜と著作』 ドメス出版


午前 外伝 『高群逸枝』読書 子供時代の逸枝は自他共に認める天才児を自認・自覚していたらしい その恍惚と恐怖 父は、言論人としての中央での立身出世を夢見たもののかなわず挫折、熊本の田舎の小学校長を歴任 教育者の矜持と敗残者の鬱屈、日記書きで酒乱のワイフビーター そんな家族への愛憎 やがて逸枝は巡礼の旅から男と出奔 なんかどっかの連ドラみたい 今後どうやって様式も存在も論も独自の学者さんになっていくのか/午後 高群家に比較すれば極々平凡な家庭の普通の小学生の下の娘と「ペーパーショップサクマ」へ 26日視察「カリンバ遺跡」夏休みの自由研究レポートを製本したいとのこと 一枚一円にもならない業務用A4判コピー用紙を本文部分にしようとするのを見て、それはあんまりだと思い、つい余計なお世話を こちらは古本保護用のグラシン紙と手製本写真集用の用紙を 娘は格安で良い用紙を手に入れて満足の体/夜 通常業務



20100729 カナダからのメール
  
   * 畑中葉子カラオケサークル公式ブログ ~Sunny side up Star~ より


午前 データ作業・外伝・M19書庫 帰宅後、鹿野政直・堀場清子『高群逸枝』(朝日選書 1985)読書 2005年9月、四国は高知県東洋町野根「ひるね郷・野根」に寄宿、そこに高群逸枝『娘巡礼記』岩波文庫とその校註者堀場清子氏からの「ひるね郷」オーナーH田氏への直筆手紙を見て以来、異端の巡礼者高群逸枝(と堀場清子氏)に興味を抱いている/午後 通常業務 横浜S先生からご連絡「世界の名著」在庫リストの件/在カナダ西海岸のK子ちゃんから、日本の友人・知人への同報メール 7月24日ビクトリアの教会で、無事結婚式を挙げられたとのこと 写真数葉添付 目出度い目出度い こちらは、先月半ば長沼町「絵本屋ぽこぺん」で個展「ブックスボックス 田原書店 展」をして、その報告もまだだというに 下にそのとき(と前年三人展)の写真を掲載し、このページを閲覧してもらうことにしよう K子ちゃんの応援と励ましで、こうしてここまで来られた 本当にありがとう お幸せに

      
      2009/07/31 14:46
      2009年7月24日から8月10日の「木造校舎の声展@ぽこぺん」会場
      メインアクトは星野桂子さんだが、堀尾時司さん、田原が参加し、三人展の形に
      7月の詳細8月の詳細 by K子ちゃん

      
      2010/06/18 10:39
      2010年6月11日から21日の「ブックスボックス 田原書店 展 @ぽこぺん」会場

      
      2010/06/18 10:40
      2010年6月11日から21日の「ブックスボックス 田原書店 展 @ぽこぺん」会場
      K子ちゃんはカナダに嫁に行き、堀尾時司さんは残念なことに2009年12月に逝去、一人展になってしまった
      でもまあ、お遍路風に言えば、田原は、法人「ブックスボックス」と「同行二人」(どうぎょうににん)なのだ

      
      2010/06/18 10:40
      芳名録も田原の手製
      葉書差込型の折帖本
      ようこそ、ようこそ

      
      2010/06/19 14:10
      この世に天国があるとすれば、それは六月、夏至のころ、の北海道
      緑射す 窓の光に 手の本の 文字とろけゆき 夢ととけいる

      
      2010/06/19 14:10
      来年も、この季節に、と「ぽこぺん」店主・飛島詩子さんと約したのでした



20100728 3000年前の匠の技
  
   * 松田権六 『うるしの話』 岩波文庫 2001


午前 古書データ登録作業・古書組合会計業務・外伝/午後 下の娘(小六)と車で恵庭市・カリンバ遺跡へ 娘が「縄文人の生活探求」を夏休みの自由研究題材に選び、WEB検索したところ、縄文後期末から晩期初め(今から約3000年前)の漆製品を多数納めた合葬墓が全国的に有名らしい・かつ自宅から近い、カリンバ遺跡の存在を知り出かけた次第 国道36号線脇、ショッピングモール裏の、遺跡跡はすでに埋め戻され案内板が立つだけ 恵庭市郷土資料館に移動し出土品を見る 副葬品に驚いた 製品・玉などで作られた装身具は精巧で意匠性が高く美しくのびやか 半ば専従に近い工人が作る喜びを感じながら継続的に制作していたのではないか 豊かな芸術性とその発露発展を支える安定した生活があったのだろう/夕刻帰宅 夜 発送作業 原田治『ぼくの美術帖』読了 なんと後半の日本の民族的美意識について書かれた文章は「縄文人の美」が主テーマだった



20100727 みすずもビックリ
  
   * 原田治 『ぼくの美術帖 大人の本棚』 みすず書房 2006


午前 原田治『ぼくの美術帖』(PARCO出版 1982)読書 ビックリ(ハウス、オヤヂギャグ失礼) 素晴しい 先月の古書組合セリ市で落札した美術書群中の一冊、函欠で売るに売れず廃棄処分すべきか迷い、念の為の内容確認で開き、深くはまった 急ぎ検索をかけると、ちゃんとみすず書房が増補復刊させていた 新版旧版とも、古書価格も安くない むべなるかな 天真爛漫なアメリカナイズ物に見えるオサムグッズのバックボーンに、これだけ豊かな江戸・明治東京的素養・教養をお持ちだったとは 不明を恥じる 初版(1982年)当時読んでも、真髄を理解できなかったろうし、それを謙虚に自分の勉強不足であると受け入れることもできなかっただろう 長生きはするものだ 「ビックリハウス」は買っておくもんだ 「北園克衛」文が特に秀逸な印象 後半も楽しみ/午後 通常業務/夜 南郵便局・M19書庫/深夜 激しい雷雨 1985年の今日からちょうど四半世紀 生と死を思う



20100726 突出した凹み
  
   * 中沢正夫 『凹の時代 心の癒しのために』 ちくま文庫


午前 北海道新聞文化面に谷口顕一郎さん紹介記事 「札幌出身ベルリン在住の若手彫刻家 谷口顕一郎さん」「オランダのビルにモニュメント制作」「「自分の形 生み続けたい」」 2005年5月田原は中森花器店 で共同展、翌6月谷口氏は中森花器店「TEMPORARY SPACE」で個展「凹(Hekomi)Study #8」を開催 ブックスボックス企画の中森花器店定例ライブ「booxbox X_X night」(2003-2004)などでも、何かとお手伝いいただいた 当時まだ二十代後半の谷口氏は優しげで人あたりがよく、同時に芯の強さも感じられる好青年だった 異国で自分の仕事を続けられ着実に成果を挙げておられるようで何より 九月下旬から札幌で個展開催予定とのこと、行くべし 『本屋風情』読了 再び手にとる日があるだろう/午後 通常業務 三時銀行、記帳・振込・入金 「日本の古本屋」出品データベース利用点数、5000から7500へ変更なる 登録作業、励むべし/夜 南郵便局・M19書庫


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