« 20101116 賢者の言葉・山口昌男 『「挫折」の昭和史』・「おわりに―甘粕にはじまり石原に終る」より | トップページ | 大丈夫日記 札幌・電子書籍は民主化ツール~真善美・利・20101128-1122 »

大丈夫日記 札幌・均質化圧力に抗して~眺めのいい台所・20101121-1115

20101121 均質化圧力に抗して
  
   熊田千佳慕 「ファーブル昆虫記の虫たち 1 KumadaChikabo’s World」 小学館


午前 NHK「日曜美術館」「私は虫である 画家・熊田千佳慕の世界」 感銘を受ける グラフィックデザイナー熊田五郎=千佳慕(1911-2009)は第二次日本工房に参加、山名文夫や土門拳らと共同作業 という背景もあるが、番組では一貫して虫好きの側面を大きく取り上げていた ゲストの分子生物学者・福岡伸一(万博世代!)の言葉もよかった 特に「均質化圧力」という表現が印象に強く残った(氏の常套句なのかもしれない) それは逃れなければならないもの 真善美の「美」だけは、均質化圧力から自由、というのは卓見 美はイデオロギーではない 虫たちは「真」でも「善」でもない 「美」だけが多様性をはらむ 川沿某所/午後 真駒内公園徒歩・地下鉄真駒内-大通駅・M19書庫 辞書補修作業続き 四時過ぎ退出 帰宅後、車で定山渓温泉へ 古書組合観楓会(の夕食会だけに)参加 国道230号線から入ってちょっと道に迷って、改めて定山渓は初めてだったことに気付く



20101120 回文「こくとうとくこ」=黒糖、溶く子
  
   「黒砂糖の宮崎商店 鬼黒 色(濃い)・味(濃い) カチ割タイプ 500g」


午前 発送作業 真駒内公園徒歩・地下鉄真駒内-大通・南一条通=札幌一番街某所/午後 M19書庫 休憩時黒糖を舐めながら手製本作業 O氏依頼辞書補修に着手 大丸藤井セントラルで買った典具紙を使用 細い糸かがりが必要になるが、手元に太手の麻糸しかなく、一旦作業中止・翌日持越し 余った時間で新作手製本「ヴェランドスケープ Verandscape」にも着手 構造は単純な変哲もない折帖本 ただその含意がちょっと複雑 一種のアウトサイダーアートだと思う/祖父はよく白米の弁当に黒砂糖の固まりを、梅干入りの日の丸弁当風に入れて、それを仕事に持っていって食べていた 自分も何度か小学校の低学年の頃、そんな弁当を持たされた記憶もある そう、利尻の地産地消を昨日書いたばかりだが、一方で南国産の黒砂糖が、貧乏な漁師の家庭でも一般的な食材として流通していたのだった そして沖縄は日本有数の、北方の海でしか採れない昆布の消費地



20101119 利尻産の最後の晩餐
  
   開高健 「最後の晩餐」 光文社文庫


午前 データ・発送作業/午後 南〒・ヨドバシカメラ・幌北某所・M19書庫/夜 登録作業/自分の最後の晩餐の献立を考えると、この父の塩辛と祖父の塩ウニが出て来て欲しいと思う もちろんそれは叶わないことだが 汁はもちろん利尻昆布でだしを取った味噌汁 具材は、根曲り竹の竹の子とワカメ、どちらも利尻産 なら米のご飯ということに当然なるが、米の種類・ブランドには格別のこだわりなし 母の作る飯寿司(いずし)も加えたい 魚は当然利尻近海産のホッケ 利尻の方言で言えば「ママズシ」 ママ=飯(おまんまのママだ)、利尻での夕食時祖母に何度「ママケ」(=ご飯を食べなさい)と言われたことだろう(山形出身の祖母が利尻に嫁に来て、近隣住民の津軽弁を習得したものか) 産直・地産地消、などという言葉が出て来たのは、そういうもの・ことが普通だった時代でなくなってからだろう 皆自前で食材を調達・調理するのが当り前の生活が確実にあった その一方で



20101118 父の塩辛と祖父の塩ウニ
  
   農山漁村文化協会・奥村彪生 「聞き書・ふるさとの家庭料理 第17巻 魚の漬込み・干もの・佃煮・塩辛」 農山漁村文化協会


午前 日課の目覚めのメールチェック、某君からのメッセージあり 何を言っているのか データ・登録作業/午後 1月個展DMの原案を練る 文面案:「ブックスボックス 田原書店 展 ~百一冊手製本と千一冊アート系古書~ ■ 2011年1月25日(火)~30日(日) 10:00~18:00 店主は全日程午後在廊 ■ プレイベント:1月23日(日)午後五時 ギャラリートーク 「札幌の新鋭古書店主が語る 札幌の古本屋‐現在と未来」 ゲスト:「書肆吉成」吉成秀夫さん・「古本とビール アダノンキ」石山府子さん 司会:「田原書店」田原洋朗 参加費500円(飲物付)要予約 ■ ワークショップ 1月29日(土)午後二時 手製本制作:「好きな文庫本をハードカバー本にしてみよう」 参加費1000円(飲物付)要予約」 ソクラテスのカフェギャラリーNさんとさらに詰めよう/(つづき)厳しく、男女分業がはっきりしていた面も多々あったろうが そんな父もイカの塩辛だけは、そんな祖父も塩ウニだけは、手ずから



20101117 祝!「料理の四面体」復刊
  
   玉村豊男 「料理の四面体」 中公文庫


午前 M19書庫 データ作業/午後 登録・発送作業 夕刻古書買取依頼お電話 先月からタウンページ広告開始、その最初のお客様 有難い/夜 南〒・中の島某所/「男子厨房に入らず」 もとは、「孟子」「梁恵王・上」が出典、「君子遠庖厨也」(くんしはちゅうぼうをとおざく=君子は家畜が屠殺される場でもある厨房に近づくべきではない)となっているそうだ 日本ではそれを(男尊主義者に?)都合よく曲解して、人の食べ物を作るなど立派な男子たるものがすべきでない、男子の本懐・本分は厨房の外にあり、という意味で使うようになったものらしい やはり封建制が確立したという江戸時代以降のことなのだろうか 「徒然草」第二百十五段中の平宣時朝臣と最明寺の入道(=北条時頼)のやり取りを見れば、十三世紀の半ばの鎌倉時代の鎌倉では、君子といえども必要以上に気取ったところがなかったようにも思える 田原の父も祖父も台所に立たなかった 北の海の漁は(つづく)



20101116 一切一汁一菜
  
   梅崎和子 「一汁一飯のすすめ 体をととのえる毎日の基本食」 家の光協会


午前 データ作業 外伝 筋トレ/午後 登録 夕食準備/夜 発送作業 南〒・西岡某所/(つづき)一汁一菜といえば、日本の伝統的な献立構成で、主食・汁物(一汁)・おかず(一菜)・漬物(数えないらしい)とのこと 我が家では、平均したら一汁一・五菜くらいか 粗食・質素の範囲内だと思うが、一つ贅沢をしているのが、汁(味噌汁)のだし昆布 当方は利尻島の生れで昆布漁師の息子なのだから当り前と言えば当り前だが、利尻昆布を使っている 養殖だけど 鍋に水を張り、掌大より少し小さめの昆布を入れ、しばらく置いてから火にかけて沸かし、沸騰直前に昆布を取り出す、という手順 「湯だし」 それで毎夕食の味噌汁を作る 昆布を使い果たし、仕方なく市販の出し入り味噌で作ったこともあるが、やはり味の差は歴然 まず子供たちが昆布だしがいいという 娘らに何か親として与えることができたものがあるとしたら、それは「一つの味の基準」かと思う たまたま、だけど



20101115 眺めのいい台所
  
   ジェームズ・アイヴォリー監督 「眺めのいい部屋」 DVD


午前 データ・登録作業/午後 古書組合事業部会計作業 夕食準備をしながら、TVの大相撲中継チラ見、白鵬まさかの負けに驚く/夜 発送作業 南〒・山鼻某所・M19書庫/2008年春先に今の住居に越してきた 部屋の下見の段階でああこの台所なら料理してもいいなと思った それは「眺めのいい台所」だった 台所自体に窓があるわけではないが、レンジの前に居ながら左方向に目を転じれば、居間の窓の向こうに国道230号線近景から豊平川河畔・真駒内公園・彼方の遠景まで一望できる その開放感に加え春夏秋冬の変化を見る楽しみ 妻のホームヘルパーの仕事も勤め先が定まり、子どもも大きくなってフルタイムで働ける日が週の過半を越えた こちらも会社の仕事の一環で古書ネット通販に当面力を入れることになり、以前のように不定期に出歩く必要もない 自然と、妻の勤務日は、自分が、家族四人分の夕食を作ることになった いつまで続くものかと思ったら、なんと今もって(つづく)


|

« 20101116 賢者の言葉・山口昌男 『「挫折」の昭和史』・「おわりに―甘粕にはじまり石原に終る」より | トップページ | 大丈夫日記 札幌・電子書籍は民主化ツール~真善美・利・20101128-1122 »

02 大丈夫日記 札幌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/6458/50058208

この記事へのトラックバック一覧です: 大丈夫日記 札幌・均質化圧力に抗して~眺めのいい台所・20101121-1115:

« 20101116 賢者の言葉・山口昌男 『「挫折」の昭和史』・「おわりに―甘粕にはじまり石原に終る」より | トップページ | 大丈夫日記 札幌・電子書籍は民主化ツール~真善美・利・20101128-1122 »